9.Apocrypha よくわからん


・ドランケンシュタイン
 秋田の造り酒屋の息子が、米・米麹・水およびなまはげの遺伝子をサーマルタンクに仕込んで造り上げた人造人間である。
 見た目は醜いが、気は優しくて力持ち。米3俵を軽々と持ち上げ、3トン仕込みの留麹の手入れをひとりで楽々とこなしたが、毎日飯代わりに酒一斗を飲み続けたため、蔵内欠減が異常に多いことを税務署にとがめられ、ついに正体が発覚した。
 最後は、酒屋の孫娘鈴子(当時18歳)を攫って酒屋の煙突に登り、包囲した秋田県警特殊狙撃班に撃たれて壮絶な最期を遂げたという。
 神を畏れぬ行為といってしまえばそのままであるが、倫理無き現代科学と、酒屋の人手不足が生みだした悲劇のひとつとしてこころにとどめおくべきだろう。