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タイトル2000/05/29■005 スラップ・ハッピー公演
記事No104
投稿日: 2013/10/05(Sat) 09:00:57
投稿者管理人
[スラップ・ハッピー公演]
 5月27日,スターパインズカフェでの公演を見た(共演ストラーダ).
 350人以上は入ったみたいで,この種のライヴとしては盛況と言っていいだろう.アンコールを入れて正味1時間50分,休憩なし.殆ど立ち見状態で,バンドが俺の視界に入ったのは精々1時間足らずだった.
 個人的には「ME AND PARVATI」でジンときたのと,「CHILD THEN」と「SOME QUESTIONS ABOUT HATS」(のエンディング)がメドレーになっていたのが印象深いが,感想を一言でいえば「堪能しました」に尽きる.
 何と言っても,楽曲が良いし,ダクマー・クラウゼのリード・ヴォーカルが良い....勿論あとの二人のおじさんがそれぞれソロをとった2曲も良かったし,バックコーラス(主にピーター・ブレグヴァド)もツボを押さえてて良かった.歌ものとしては,上出来だと思う.
 ただし,演奏に関しては,正直言って,飽きた.
 打込みを使ったのは「IS IT YOU?」1曲のみで,あとは3人で演奏してたのは偉いとは思うけれど,クラウゼがキーボードを弾いた(多分)「MOON LOVERS」や,ムーアがベースを弾いた「BLUE FLOWER」といった一部の例外を除いて,殆どの曲がキーボード(ムーア)とギター(ブレグヴァド)の伴奏だけだったのは,やはり辛い.
 際だった個性を欠いた起伏の乏しい演奏は,困ったことに70年代前半の日本のフォーク〜ニューミュージック系を想起させるもので,同じ曲なら凝ったスタジオ録音版の方が作品として出来が良いと言わざるを得ない.
 ダクマーのヴォーカルにしても,ツアーの疲れの所為か,絶好調とは言い難かったし,「CASABLANCA MOON」他数曲のキーが原曲より下げてあったのも気になった....
 うーん,「生で見れた.良かった!」で済ませりゃいいものを,やはり是々非々でしか言えない.俺はミーハーになり切れず,いつも損した気分.

[歌謡曲の不遇]
 奥村チヨのニュー・シングル「浮雲」が,ヴァージンメガストアにも,タワーレコードにも,国内版専門の新星堂にも置いてなくて,結局新宿のコタニで買えた.ここは大手のレコード屋の中では数少ない,「J-POP」の括りに入れてもらえない演歌と歌謡曲をちゃんと置いている店である.
 で,漸く入手した「浮雲」であるが,まぁ,凡作である.カップリングが「恋の奴隷'95」という,過去にもシングルで出したことのある旧録音である点にも,やる気というものが窺えない.せっかくデビュー35周年だというのに,浜圭介も東芝EMIもこんなことでいいのか.
 八代亜紀の歌手生活30周年記念アルバム「いい男 いい女 いい時代」もやっと聞けた.
 作詞は全て阿久悠の書下ろし,作曲は弦哲也,杉本眞人,三木たかしといったヴェテランが当たり,かなり力が入っているようだ.
 だが,そこそこ「いい曲」に仕上がってはいるものの,内容的には結局過去の阿久歌謡(具体的には「舟唄」とか「乙女のワルツ」)の焼き直しに終わっている.反時代的なのは全然構わないのだが,過去の反復でしかないんじゃなぁ....円熟の域に達した八代の歌が空回りしている様は実に勿体ない.
 このアルバムのライナーで阿久はいみじくも書いている.
 「さて、30年。日本人の生活も、日本人の顔も、日本人の心も、ずいぶん変わりました。それにつれて、混乱の時代の中で歌もまた迷子になりました。誰のところへ行けばいいのかわからなくなったのです。
 八代亜紀さん。迷子の歌をもう一度大通りへ連れて来ましょう。」
 大通りへ連れて来れるか,甚だ心許ない.
 そういえば,高田洋介からもらったメールに「最近ヒットしてる股旅歌謡、「箱根八里の半次郎」って知ってます?」という件があった.
 詳しいことは知らないが,最近の演歌としては(「孫」を別にすれば)珍しくベスト30圏内に入った曲で,歌い手の氷川ひろしは日本コロムビアが「創立90周年記念アーチスト」として推している「平成の股旅野郎」らしい(概ねコタニ店頭で得た情報).
 俺は歌はチラッとしか聞いてないが(ランキング系のTV番組ではワンフレーズしか流れない),どうなんだろう,今時「股旅」だなんて(奥田民生の「股旅」は関係ない).氷川は演歌歌手としては美形だから,それで売れてるんだろうか....ともかく,今度ちゃんと聞いてみよう.

2000/05/29 GESO