タイトル | : 2000/06/19■011 グレート・チャネリング |
記事No | : 110 |
投稿日 | : 2013/10/05(Sat) 09:05:16 |
投稿者 | : 管理人 |
[グレート・チャネリング] 二分法というのは確かに脳の癖かも知れない,集団即興演奏もアッパー系とダウナー系に分類できるな....等々とくだらないことを考えつつ「グレート・チャネリング」という困ったタイトルのコンサートを観に中野テレプシコールに行った6月18日夜. それは結果的には集団即興演奏ではなく,向井千恵(胡弓,p,vo)のワンマンショーであった. 向井が弾き語りを始めれば他の演奏者たち(有馬純寿(el-b,パワーマック)・竹田賢一(大正琴)・コサカイフミオ(ac-g)・榎本隆一(el-g,vo)・臼井弘行(ディドゥリドゥ))の演奏はその伴奏と化し,向井が自己流の舞踏を始めれば,プロパーの舞踏家たち(細田麻央・万城目純)の動きは既存のパターンの組合せにすぎないものに見えて色褪せる.並行する映像やパフォーマンス(園田佐登志・擬態美術協会・荒井真一)はもとよりあってもなくてもいい背景に過ぎない. 向井ファンにとっては満足のいく内容だったであろうが,集団即興の面白さを「個々の実演者の違和や齟齬が拮抗し,えもいわれぬ「場」を創り出すこと」とする観点(俺の観点の一つ)から言えば,今回の企画は失敗である. カリスマ性が匿名性を凌駕した−普通のコンサートに終わったということね.
2000/06/19 GESO
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