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タイトル2000/09/27■028 五輪
記事No127
投稿日: 2013/10/05(Sat) 09:58:25
投稿者管理人
[苦情]
 前回のメールを送った直後,初めて「苦情」のRESをもらった.
 嬉しい....でも,内容がつまらなかったので,私信で対応.面白かったら公開したのに,残念である.
 苦情でも批判でも反論でも何でも構わないけど,どうせなら応酬を公開して楽しめそうなものがいいですね.
 その辺の判断基準をこちらに任せたくないという方は,「絶対載せろ」と要請してくれれば,内容を問わず公開します.

[アトピー]
 竹原和彦『アトピービジネス』(文春新書)は,アトピーの人のみならず,マスコミに騙されたくないと思う向きには,モデルケースとして有益な本だ.
 カヴァー袖のコピーを引用する.
 「皮膚科の専門医にとってはごくありふれた慢性疾患にすぎない皮膚炎が、いつのまにか世間では「難病」のように認識されている。跳梁するさまざまな民間療法、いや民間療法に名を借りたビジネスと一部マスコミの誤った報道が手を結んだとき、平凡な慢性疾患が世にも奇怪な難病と化した。そうした風潮の中で翻弄される皮膚科の医療――このような現象は世界的にも日本特有のものである」
 藁にも縋りたいアトピー患者の弱みにつけ込む奴らが悪いのは当然だが,つけ込まれる人たちにも問題がある.
 だって,真っ当な医師の指示に従って,ステロイド軟膏を「適切に」使い,地道に治療を続けていれば,完治は(慢性疾患なんだから)無理としても,寛解状態を保つことは可能な病気なのに,「多少カネが掛かってもいいから,とにかく早く楽に「完治」したい」と欲張って怪しげな治療法に飛びつくなんて,どう見ても安易・無謀ではないか.
 というわけで,この小冊子は,霊感商法やダイエット商法や幸運グッズ商法の類と相似する,阿漕な商売の構造を実証的に暴く.
 因みに,これを読めば,某有名ミステリ作家の大作(ネタに触れるので言えない)が,アトピービジネスに資するトンデモ本であったことが判明する.
 いかに時代の産物とはいえ(今手許に現物はないが,多分「ステロイド=悪魔の薬」が風説となった90年代前半の作品),資料を重んじる筈のこの作家としては,軽率の誹りは免れないのでは....

[五輪]
 五輪の時期は俄愛国者が跋扈して鬱陶しい.
 日本が勝って何が嬉しいんだよ....と思う俺は多分少数派なんだろうけど,国単位の競争を見て何が面白いのか全然分からん.
 「ヒトの能力の限界」をこそ見たいのだから,国籍を無視した個人またはチーム単位で,薬物も人体改造もみなOKで,競争して欲しいものだ(そうすれば,ついにはオリンピックとパラリンピックを区別する必要も無くなるだろう).
 まぁ,五輪の商業化は済し崩し的に進んでるし,ルールも現状に即して変更されているわけだから,薬物とサプリメントの境界線ごときは早晩意味を失うとしても,国同士の競争という形はなかなか消滅しないだろうなー.
 一方で,プロの参加が容認されたり,訳の分からない新競技種目が増えたりと,境界の曖昧化が進んでいる現状への批判として,内容を絞った裏五輪があっても面白いですね.
 ジャンキーの祭典ラリンピック,大食いの祭典カロリンピック,性技の祭典エロリンピック,暗殺の祭典テロリンピック....いかん,日本でしか通用しない駄洒落だ.

2000/09/27 GESO