タイトル | : 2001/04/10■047 チンドンコンクール |
記事No | : 147 |
投稿日 | : 2013/10/05(Sat) 10:22:50 |
投稿者 | : 管理人 |
[ライヴ] 3月31日,シアターPOOでチヨズのライヴ.対バンは山安籠とはるひろの.俺は風邪と熱で体調最悪.カコナール+ユンケルで無理矢理テンション上げて決行.それでも打上げで朝まで飲むところが偉い.偉くない.演ってるときを含めてこの日の記憶は霧の彼方で,覚えてるのは二次会でお笑いにうるさい小間慶大とひょうきん族の功罪etc.について議論したことぐらいなのだった. 4日後にMDに録ったのを聞き返し,余りにもミスが多い演奏に笑ってしまう.聞く人によっては全部失敗に聞こえたかも知れないが,実はそうでもないのだが,なかなか説明が難しい.チヨズの場合,そもそも演奏がうまくいくというのがどういうことなのか,未だによく掴めない.約9年前に一度うまくいった記憶/記録は残っているのだが,それもあくまで俺の観点からに過ぎない. でも,だからやるのである.
[チンドンコンクール] 4月6日,「第47回全日本チンドンコンクール」を観るのと旧友に会うために,各種疲労持ち込みで2泊3日の富山旅行へ. チンドンコンクールというものの詳細は富山市のサイト(http://www.ccis-toyama.or.jp/toyama/cin/team.html)参照.ここではうんと切り詰めて記述する. 毎年花見シーズンに合わせての開催なのだが,今年は桜の満開のタイミングに合致し,天候にも恵まれ,最高のコンディションだったようだ. 本選のデモンストレーションとして様々な催しがあるのだが,その一つとして,4月7日には,チンドンマン(と,この大会では普通名詞的に呼ばれる)が各出身地区別チームに分かれての「特別ステージ」があった. このステージの印象は,昨年8月東京で開催された「第一回全国ちんどん博覧会」における地区別ステージの印象とほぼ同様.すなわち,東京チームは個性派は多いがまとまりが無く,大阪チームはお笑い演芸乗り,九州チームはバンド乗りといったところ――大雑把に言えばであるが.初登場の長崎チームは,一応九州チームに加わっていたが,東京の親方の許で修行した人が率いているので,東京の古典的な芸風を踏襲していたように思う.地元富山チームには,郷土色の押付けや拍手の強制など,押しつけがましさを感じた――これはもっぱらリーダーの責任であるが. 4月8日はコンクール本番.お客は多いが,やはり「ちんどん博覧会」のときと同様,年配者,とりわけおばさん・お婆さんが多い.チンドンマンと記念写真を撮るのは殆どがこの層だ.若い客は少ない.残念ながら,地元の若者の多くはこの大会に余り興味を持っていないと聞く. コンクールは,3人一組で,今年は全32組(96名)が参加.制限時間4分30秒.テーマは確か「新世紀」だが,これは余り関係ない感じ. チンドン屋のオーソドックスな楽器編成はかつてはチンドン+ゴロス(太鼓)+管楽器だったらしいが,今では,チンドンは必須として,後は何でもありでOKらしい.チンドン+ヴァイオリン+鍵盤ハーモニカ,チンドン+フルート+アコーディオン,チンドン+バンジョー+三味線etc., etc.実際の営業では珍しくないチンドン+カセットテープ(携帯アンプで再生)+旗持ちという編成は,余程奇抜なことをしない限り,このコンクールにおいては地味すぎて不利だろう. 今年の最優秀賞はアダチ宣伝社紗遥子(福岡),優秀賞はみどりや(東京)とちんどん通信社幸治郎(大阪)だった. アダチ宣伝社はチンドン+ポケットトランペット+バンジョーという編成で,富山の薬の宣伝に的を絞った音楽コントを演じた.息も合っていたし,テンポも良かった.譜面台の下半分を使い,ジョイント部分にトランペットのマウスピースを差し込んで吹いて演奏したりしたのも受けていた. みどりやは,3人ともチンドンという思い切った編成で,ベテランの親方の演奏テクニックをフィーチュア(歌も披露),若手が息を合わせてサポート.演奏力を見せる,という感じ. ちんどん通信社は,チンドン+ゴロス+トランペットで始まったが,途中からチンドン2人+その背中に付けた太鼓をもう一人がバチで打つといった,曲打ちに変化する.これもまた,息の合った演奏力を見せるという感じ. この他にもいくつか部門賞があったが,奨励賞的なもの・功労賞的なものを除けば,音楽賞と舞踊賞が,実力を問われるものだろう.前者は華乃家(大阪),後者は平成ちんどん本舗(福岡)が受賞. 以上の受賞者に関しては,俺も観ていて大体予想がついたし,観客も納得がいくラインナップだったんじゃないかと思う. ただ,最優秀賞のアダチ宣伝社は,再演時――優勝すると,最後にもう一度演らされるのである――には余りいいと思えなかった.こういう芸は,やはり一発勝負的な面が強いということなのだろうか. 短くするつもりが長くなってしまったが,観察と分析による結論. このコンクールにおいてチンドン屋が(とりわけおばちゃん連中に)受けるポイントは,「お化け」・「美形」・「愛嬌」である.賞を取るためには,更に「技術」と「華」が必要.「アイディア」に関しては,何しろ47回も続いてる大会だから,よほど工夫を凝らさない限り,過去の事例と重なってしまうだろうな. 富山の食い物のことについてはまた書く(かどうか分からない)として,俺はもう寝る.明日も忙しいのにこんなの書いてちゃいかんですね.
2001/04/10 GESO
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