タイトル | : 2001/12/04■066 チョムスキー |
記事No | : 166 |
投稿日 | : 2013/10/05(Sat) 11:43:33 |
投稿者 | : 管理人 |
[チョムスキー] 「生成文法」は過去の学説の感がある――いや,脳科学を援用すれば案外リニューアル可能かも知れない――が,それはともかく,警世家としてのノーム・チョムスキーは健在だったんだなと,『9.11 アメリカに報復する資格はない!』(文藝春秋)を読んで思った. これは,『現代思想 10月臨時増刊 これは戦争か』に載った文章(訳者は違うが)を含むインタビュー集で,主にEメールのやり取りして構成したものらしい. 腰巻の惹句にあるとおり,今回の自爆テロは「文明の衝突」などではなく,「テロ国家の親玉」米国に対する別のテロ集団の挑戦であると,これまでの米国の数多の――時に「人道的」と詐称した――他国への軍事介入の事例を掲げつつ断じているが,語り口はあくまで冷静で,説得力ある. 今の米国でこれだけ明瞭に国策を批判する知識人は明らかに少数派で,さぞかし目の上のタンコブ扱いされていることだろうが,属国の一住人としては,ごく真っ当な見解を示した,それ故貴重な発言集に思える. 頭に血が昇って愛国馬鹿になってるヤンキーに「アメリカが清らかだったことはかつて一度もない」(というエルロイ様の言葉は,米国自虐史観?)ことを認めさせるのは困難だろうが,こういうときこそbe coolでしょ.日本人もね.
2001/12/04 GESO
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