タイトル | : 2001/01/19■070 神田ハル |
記事No | : 170 |
投稿日 | : 2013/10/05(Sat) 11:46:00 |
投稿者 | : 管理人 |
[カンダハール] モフセン・マフマルバフ監督の映画『カンダハール』を観る. 話題作で且つ単館上映(新宿武蔵野館)のせいか,超満員. 少なくとも,「神にさえ見放された国アフガニスタン」に注目させるという点では,日本でも成功したのではないかしら. 観客は,平均年齢が意外に高い(50歳前後?)/男女半々/裕福そう/真面目そう/ボランティア活動や赤い羽根募金に積極参加していそう....という印象. お話は,「20世紀最後の日蝕の日に自殺する」という予告の手紙を寄越した妹(画面には一度も登場しないが,幼い頃地雷を踏んで片脚がないという設定)を思い留まらせようと,カナダに亡命している姉=主人公が,イランの難民キャンプを経由して故郷カンダハールへと向かう道程をドキュメンタリー仕立てで描いたもので,実在のアフガン難民も多数出演している. 物語の設定時期が1999年8月/実際の撮影時期が2000年8月〜2001年2月/映画の初公開時期が2001年10月....という経過は,念頭に置く必要があるだろう. 制作当初は恐らくタリバーン批判の意図が強かったと思われるのだが,徐々に,そして2001年9月11日を経て決定的に,この映画が喚起する意味は変わってきたのではないか. 今では,むしろアフガニスタンについて無知/無関心な西側諸国への訴えが,解釈の優先順位に置かれているような気がする. それは,正にこの監督が自著『アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない 恥辱のあまり崩れ落ちたのだ』で告発していることだと思うが.... 確かに考えさせられる映画だし,映像も美しい. 戦闘場面こそないが,難民の生活の悲惨さと共に劣悪な情況におけるヒトのしぶとさ・したたかさを仮借なく描いていて,お涙頂戴じゃない点にも好感が持てる. 国際赤十字(軍,とうっかり書きそうになった.)のヘリコプターから落下傘で投下される精々10脚程度の義足を奪取しようと,数十人の松葉杖の男たち(現実に,地雷で脚を失った人たち)が一斉にダッシュする「シュールな」場面――俺はモンパイの一連のスキットを思い出してしまったが――など,悲惨でありながら笑いも誘わずにおかない. イラン政府の目の上のタンコブ(らしい)であっても,国際的な評価を楯に生き延びる才覚のある監督であるに違いない. ....だけど,様々な美点を認めつつも,「映画」の一観客として,その中途半端な終わり方に不満と疑問を覚えざるを得ないのも事実だ. だって,主人公がカンダハールに潜入する直前で終わってしまうんだもの.えっ,これで終わり?って感じ. 結局姉はカンダハールに潜入できたの? 妹はどうなったの? 物語としてこれでいいの? 深い芸術的意図があるの? プロパガンダ映画だからいいの? 単に予算が足りなかったの? 等々....
[丸尾地獄] 「小説NON」2月号に載ってる丸尾末広の全身写真を見てファンの人たちはどう思ったでしょうか? 俺は自分が大してファンじゃなくて良かったと思いました. 人を外見で判断しちゃイカンのだろうが,あんな絵を描く人があんなルックスじゃイカンでしょう....
[検査結果] 大腸癌の精密検査の結果は異常なしで良かったのだが,事前の血液検査(昨年末実施)の結果に関して「中性脂肪値が治療を要するくらい高い.脂肪肝の疑いがある」と,担当医師に注意される. 脂肪分・糖分はあんまり摂ってないから,まず原因は飲酒と運動不足であろう.まぁ,全然不思議はなけれども....
2001/01/19 GESO
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