タイトル | : 2002/08/16■083 娑婆の話題 |
記事No | : 183 |
投稿日 | : 2013/10/05(Sat) 14:25:38 |
投稿者 | : 管理人 |
[映画の話題] 『ピンポン』(監督曽利文彦)観たけど,期待が大きすぎたせいか,今一つでした.かなり原作に忠実なのに,実写になるとどうも世界が狭くなる感が強いのは何故か.VFXの使い方とか,役者陣は○.でも,ARATAは良かったが,窪塚はちょっと.... 『カタクリ家の幸福』(監督三池崇史)は,笑えないホラーにしてミュージカルにしてコメディー.例によって演出がめり張りを欠くと思ったが,今まで観た三池作品の中では一番良かった.ジュリー,松坂慶子ら役者陣は○.時々挿入される粘土アニメも結構楽しい.
[歌謡曲の話題] 椎名林檎によるカヴァーアルバム『唄ひ手冥利〜其ノ壱〜』は,収録時間68分なのにわざわざ2枚組にしてるところだとか,無駄に贅を尽くしたパッケージングだとか,椎名純平が恥ずかしげもなく共演してるところだとか,気に食わない点が多く,音的にも「まぁこんなもんでしょう」程度の仕上がりだったんだけど,「白い小鳩」だけはやけに気に入り,原曲を聴いてみたくなって,朱里エイコのベスト盤を買った. 朱里エイコ,上手いです.パンチがあって少しハスキーな声ってのは全く俺好み.ヒット曲が「北国行きで」しかなかったのが不運だったな.... 欧陽菲菲(声質は違うけど立ち位置は似てる)みたいに,もう何曲かオリジナルヒットがあれば良かったのに――と思ったのは,「ジェット最終便」って歌が,菲菲のナンバーと言っても納得されそうな曲調だったからかも知れない. 問題の「白い小鳩」('74)は,朱里の4枚目のシングルで,山上路夫+都倉俊一作品.ハードロックっぽい林檎版に較べるとR&B歌謡色が強い編曲だが,歌い方はかなり似てる――というか,林檎が真似してるわけですね.キーも同じだし,テンポも林檎版が僅かに速い程度.歌詞も「歌舞伎町の女王」への影響を感じさせるし(妄想かしら),林檎にとっては存外重要な位置を占める曲なのかも知れぬ. 要するに,カッチョいい曲ってことで. ついでに唐突に思い出したので書き留めるけど,奥村チヨが'68年に出したシングル「愛の花咲く頃」って,後に('73年)南沙織がオリジナルアルバムの中でカヴァーしてるんですね.橋本淳+筒美京平作品だから,そんなに不思議なことでもないんでしょうが,チヨとシンシアが同じ曲を歌ってたなんて,ちょっと妙な感じ. あと,最近入手したのは,なかやまて由希の'82年のLP『オクトパシー〜恋する女たち〜』.今野雄二プロデュース,作詞陣はちあき哲也・竹花いち子・よこすか未美,全作曲筒美京平,編曲は"S"面が佐久間正英で"M"面が茂木由多加,ライナーは近田春夫・伊藤銀次という,ちょっと期待させる布陣で,前から欲しかったのを,中古盤屋で見付けて. 看護婦・スッチー・教師・社長秘書といった「働くお姉さんたち」を主人公にしたエロい歌詞・作編曲・演奏・効果音,細部まで凝りまくっており,ある種洗練の極みと言えそう.なかやまて自身は,結構いろんな歌唱をこなしているものの個性に乏しく,あくまでもこのコンセプトアルバムの素材に過ぎない感じなのだが.... 楽曲がもう少しキャッチーで,歌手の露出度が高かったら,売れていたかも知れない. ま,いくらゴージャスな作りであっても,あくまで歌謡曲の範疇に在るという,下世話なとこが好きなんですがね.
2002/08/16 GESO
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