タイトル | : 2002/08/18■084 ほい |
記事No | : 184 |
投稿日 | : 2013/10/05(Sat) 14:26:29 |
投稿者 | : 管理人 |
[補遺] 『カタクリ家の幸福』に限らず,三池作品はどれもこれも「怪作」だけど,それは結果としての怪作であって,例えば『血を吸う宇宙』みたいな,最初から怪作と呼ばれることを期待しているような志の低い作品よりか遙かにマシだと思う――どんなに破綻していようとも.
[神罰] 故手塚治虫が憑依したとしか思えぬ絵柄で最低の下ネタギャグ漫画を描き続ける田中圭一の最新作『神罰』(イーストプレス)は,その路線の集大成的な作品集で,すんばらしい. この絵柄でシリアスなものも描けばいいのに,と思ったこともあるが,それをやっちゃっちゃ石ノ森にとってのシュガー佐藤みたいな「代作」になってつまらんし,元々8頁以上の長編が描けるタイプだとも思えんし,描けたとしても小室『ワースト』孝太郎になっちゃえばそれはそれで不幸だと思うし.... 多分,全漫画ジャンルを制覇したかった手塚御大としては,周囲が許せば(許さなかっただろうが),こういうくだらねえエロ漫画「をも」描きたかったに違いないのだから,これでいいのだ.「訴えないでください!!」 藤子・F・不二雄のパロディーも収録されてて,これは絵柄的にはそんなに似てないんだけど,岡崎二郎系キャラを一人入れてるあたりが深いし――絵柄の影響はそこそこでも,現役漫画家で物語の作法が藤子・FのSFに一番近いのは岡崎だから――,天久聖一・タナカカツキ・サイクロン猿橋系の,「リスペクト」しているからこそ貶めたいみたいな,屈折した感情を抱えたパロディーとは,一線を画しているような気がする.... って,田中圭一をそんなに語ってどうするよ.
2002/08/18
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