タイトル | : 2002/01/28■090 ヒツジがクルと書いて未来 |
記事No | : 190 |
投稿日 | : 2013/10/05(Sat) 14:30:12 |
投稿者 | : 管理人 |
[凶年] 年頭からロクな事がなくて,嫌な年になりそうだなぁ....と気落ちしてるうちに早1か月,漸く持ち直してきたところ――空元気ですけど.
[談志] 年末年始のお楽しみは,延べ10日間にわたって行われた,高座生活五十周年記念「立川談志映画祭」と称するレイトショーであった. 上映作品は東宝の植木等シリーズを模して作られたと思われる68年〜69年制作の松竹映画5本で,主役は複数いるが,談志よりも牧伸二がメイン.殆ど上映の機会もないC級映画なれど,堺俊二・由利徹・伴淳三郎・藤村有弘・上田吉二郎・横山ノック・財津一郎・なべおさみ・コント55号・ナンセンストリオ・トリオスカイライン・ドンキーカルテット等々,大御所から一時の売れっ子まで当時の人気コメディアンが総出演するという点では豪華であり,お好きな人には堪らない貴重な作品群だ. 中でも12月29日は,『極道社員遊侠伝』(「作品としては5作中最低レベル,第一談志は撮影中喧嘩したらしく1シーンしか登場しない)上映後,家元本人がゲスト出演するということで,大盛況.中野武蔵野館に立ち見まで出るのを初めて観た――といっても,キャパ76人のところに120〜130人入った程度であるが.俺は整理券番号85番で,小屋提供の折畳み補助椅子に掛けて観た. 談志はテレ朝「M-1グランプリ」の審査員を終えて23:00前に会場着.ひどい番組だった,駆け付けでビール2本とハルシオンを飲んできたところだ,糖尿と肝硬変で余命幾ばくもないよ云々とぼやきつつ登場, 最初は声が掠れててよく聞こえなかったが,段々調子が出てきたみたいで,約1時間言いたい放題喋り倒して帰って行った.ほぼあっちに行っちゃってるモリシゲに3時間インタビューしてきた話だとかね. 初めて生で観たけど,さすがにカリスマ感はあった. あとは,今回の企画者であり連日司会役を務めた快楽亭ブラックの,妊婦並みに出っ張った腹と,石原慎太郎以上にせわしないまばたきと,日によって回らないロレツが気になった.落語できるんだろうか.
[不作] 殆ど趣味が合わないが気にはなるので毎年『このミス』を買ってるのだが,2002年のベスト10のうち既読のものは,国内作品では2位の乙一『GOTH』と8位の柄澤齊『ロンド』,海外作品では1位のジェレミー・ドロンフィールド『飛蝗の農場』と10位のマイケル・スレイド『髑髏島の惨劇』のみであった. いずれも他の場所でも好評だし,面白いことは面白い――乙一なんて個人的に若手イチ押しだし――が,果たしてベスト10に相応しい作品なのかしら?という疑問を抱かざるを得ない. コアな作品としては,むしろ15位殊能将之『鏡の中は日曜日』とか24位山田正紀『僧正の積木唄』の方が好みだけど,それらにしても「ベスト」というほどじゃないし,そもそも『このミス』よりも『本格ミステリベスト10』向きの作風だし――現に『本格』の方では両作品ともベスト10入りしてた. 昨年は全般に不作だったということなのかもなぁ.俺は主に旧作を読んでたのでそれまで気付かなかったのだが. いずれにせよ,『このミス』1位横山秀夫『半落ち』には食指が動きませんな.「いいお話」らしいんですが,直感的に抵抗ある.
[マキ] 去年もまた,最後に観たライヴは浅川マキだった.良い意味でも悪い意味でも何もいうことはない――較べるべきものがないから.
2002/01/28 GESO
|