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タイトル2004/03/07■098 でもニコール・キッドマンは巧い
記事No198
投稿日: 2013/10/05(Sat) 14:36:33
投稿者管理人
[言換え]
 トリヴィアなんて言わず,些末事と言えばいいのに.
 不条理なんて言わず,馬鹿馬鹿しいと言えばいいのに.

[複数形について考える3分間]
 「Hoy,どういうのは論理的?」
 人の複数形は人々,神の複数形は神々,星の複数形は星々なのだから,蟹の複数形はカニガニ,亀の複数形はカメガメ,虎の複数形はトラドラ,尻の複数形はシリジリ,臍の複数形はヘソベソ,鰭の複数形はヒレビレで間違いない筈だ.
 単音節の名詞でも同じこと.
 木の複数形は木々,日の複数形は日々なのだから,毛の複数形はケゲ,屁の複数形はヘベでいいはず.
 繰り返される音節の頭が濁音になるという規則があるようだ.
 馬の複数形をウマウマと言ったり,猫の複数形をトーホグ弁でネゴネゴと言う(←言わねーよ)のが変なのは,この規則に反するからである.
 それでは馬の複数形をウマヴマ,海胆の複数形をウニヴニと言えばいいのかというと,これは字面は正しくても発音が不自然だから無理がある.
 鬼の複数形は....発音できない.
 ちなみに,樹木希林がキキとして濁らないのは同じ文字の繰返しじゃないからだし(芸名だし),オレオレ詐欺のオレオレは複数形じゃないから問題外なんだが,「人々たち」((c)山本コータロー)みたいな複数形の複数形ってのは破格過ぎていけない思う.

[明日がないさ]
 武田邦彦『「リサイクル」してはいけない』という,4年前に出た新書本を読む.
 青春出版社から出てることもあって一見軽いハウツー本の体裁だが,実際の内容はヘヴィーで,読むと飯がまずくなること請け合いだ.
 結局,1972年の「ローマクラブ報告」は今でもほぼ有効で,環境破壊と資源の枯渇は順調に進み,人類は着々と破局に向かっているっていうことやね.
 今のままだと,一人当たりの食糧がピークを迎えるのが2009年,地球の汚染がピークを迎えるのが2033年,人口が急激に減り始めるのが2050年で,その頃には食糧生産がピーク時の1/6程度,資源は1/20程度に減り,その結果,22世紀には世界人口が約60億人減少し,うち30億人は餓死者と推計される.
 滅亡は避けられないにしても,延命の方法はありまして,著者は
1 製品の設計寿命が今より2倍長いものを買い,それを丁寧に使ってメーカーが示す寿命の2倍使って棄てる.これによって,生産量は約1/8になる.至言寿命は8倍に延び,廃棄物は1/8になる.そうすれば資源枯渇まで400年くらいの時間がとれる.廃棄物処分場は余裕ができる.
2 リサイクルはやめて廃棄物は全量焼却し,灰は「人工鉱石」として「人工鉱山」に埋める.将来,資源が枯渇したら取り出す.廃棄物処分場が満杯になる恐れがなくなる.そうすれば,効率の悪いリサイクルがなくなるので経済が活性化し,景気が良くなる.将来の資源枯渇に具えることができる.
 という,シンプルで実現不可能ではない具体案を提示してはいるのだが,実際には困難だろうなぁ....メーカーも自治体もやっちゃくれないと思う.
 準備作業として,例えば,真夏にたった1日だけでも,東京都内の全てのクーラーの操業と全ての自動車の運行をストップし,その効果を計測する実験を強制的に行うことは可能だろうか? 果たして都民の理解と協力が得られるだろうか?
 まぁ,無理だろう.
 結局のところ,皆が貧乏で不便な生活を享受し,かつ,人口を減らす方向に進むしか人類さんの延命策はないんだが....
 まぁ,無理だろう.
 結局,皆「判っていて,明日のない生活をしている」わけ.

[資源の無駄に過ぎぬ映画を観る]
 『ゴーストシップ』△[冒頭の船上の大量殺戮シーンにはグッときたが,後は失速]/『パイレーツ・オブ・カリビアン』△[馬鹿な役を嬉々として演じるジョニー・デップには好感持てるが,映画自体は駄作]/『ゼブラーマン』△[クドカン脚本はお話は杜撰だが台詞の巧さとキャスティングで魅せる.三池監督は作家性は案外なくて何でもこなす職人だが,破綻を意に介さぬ現場第一主義の心意気がある.哀川翔は甲高い声と巧いんだか下手なんだか判らない演技で微妙.主に「勢い」で見せてることと,オタクに受けるかも知れないが当人はさほどオタクじゃないところが,彼ら曖昧な売れっ子たちの共通点と見た]/『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』○[ちょっと文句のつけようのない出来で,ファンタジー好きじゃなくても3時間超飽きずに観れる.人間が魔物から王権を奪回して大団円,という物語には鼻白むが,それは原作の責任じゃないしなぁ]/『ドッグヴィル』○[後味悪いとか実験的だとか評する方々はきっと性善説なんだろう.俺は明解な性悪説の物語と見た.最小限のセット・役者たちの記号的な台詞と演技・極めて説明的なナレーションと章題等々は,生々しさを避けて寓話性を高めるための装置.演出にかなり成行き的なところを感じさせつつも映画的に飽きさせず纏めたトリアー監督の力量はなかなか].

[home=sickness]
 高校時代の同級生の墨絵個展に行き,概ね30年振りに同窓生たちに会う.
 同窓会の類は鬱陶しいから一度も出たことがなかったので,新鮮な体験である.
 皆,故郷に関心があり,ずっと関係を持ち続けていることが分かって吃驚.それが普通なのかも知れないが,俺が興味を持つのは個々人に対してのみで,共同体に対しては全く帰属意識も興味もないので,不思議に思うばかり.へぇー×約30.
 憎むほどの故郷もなし 同じ空を見る.

[感想省略]
 国立劇場『世界伝統芸能フェスティバル』は無料でお得だった[フィリピン イフガオ族の口承フドゥドゥ・日本 京都府の六斎念仏・大韓民国 晋州剣舞と鼓舞・アイルランド アイリッシュダンスとパブ音楽・エジプト アラブ共和国 ヌビア民族の音楽中共 昆劇・ベリーズ ガリフナ民族の音楽と踊り・日本 獅子躍・グルジア 多重声合唱と踊り・トルコ トルコ諸民族の舞踊].

[一例]
 グレッグ・イーガン『しあわせの理由』○[日本編集のベスト短編集第2弾.熱心なSF読みじゃない俺でもはまるセンス・オブ・ワンダー.短編にしとくには勿体ないアイディアのためどの作品も短すぎる印象があるが,このそっけなさが持ち味でもあろう.「理数系のディック」みたいな作品もあり].

2004/03/07 GESO