タイトル | : 2004/04/09■100 ほんとは忙しいんですけど |
記事No | : 200 |
投稿日 | : 2013/10/05(Sat) 14:37:59 |
投稿者 | : 管理人 |
[快挙] 山上たつひこの名作『喜劇新思想大系』は,かつて何度も単行本化されてきたけれど,今では全て絶版だし,最も旧く最も充実していた青林堂版(全6冊)を除いては,(差別表現ってことで)ネームが相当改竄されていたと記憶する. それが近々,青林堂版にも未収録だった1,2編を加え,「マンガストーリー」誌連載当時のカラー口絵も再現した完全版(上下2巻)の形で,フリースタイル(←社名)から出るという. 快挙である. この作品に相当刷り込まれた俺としては,何を措いても買うしかない. そう言えば,山たつは漫画家活動を再開したようで,数か月前の「ビッグコミック」にも『中春こまわり君 妻の帰還』というタイトルで,がきデカの後日談というか,こまわりのサラリーマン編が載っていた. ただしこれは,江口寿史・田村信・泉晴紀という豪華アシスタント陣にも拘わらず(むしろそのせいで?),めっきり詰まらない出来で,がっかりした.... 因みにフリースタイルからは,『喜劇新思想大系』よりも先に『田村信ゴールデンデラックス・かすちけけ』も出るとのことで,これも必読あるな. しかし「かすちけけ」って何だろう? セメイチオケの親戚か?
[刷り込みの例文] テッド・チャン『あなたの人生の物語』をようやく読む. イーガンもすごいが,チャンはもっとすごい.ありがてーんだから.
[バカ映画ほか一代] スタンリー・ドーネン監督『シャレード』はヒッチコック調のユーモア・サスペンス.若かったとは言え20歳そこそこという設定には無理があるヘップバーンの,お洒落なファッション(ジバンシー提供だそうで)を楽しむ映画なんでしょうね. ポール・トーマス・アンダーソン監督『マグノリア』は,山口雅也『奇偶』に影響を与えているに違いない,偶然の連鎖を描く.ラスト前,大量の○○○が降ってくるシーンには唖然.ただ,もっともらしく撮ってるけど,なんかMTVっぽい映像のお遊びみたいで,余り信用できず. 『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』は,監督がスピルバーグ,主演がディカプリオにトム・ハンクスと,好かん面子(クリストファー・ウォーケンを除く)が並ぶ映画だが,さらっとしてて意外に小気味良かった.最低なのは,工夫皆無の邦題. アンドリュー・デイヴィス監督『ダイヤルM』は,ヒッチコック作品を元ネタに,マイケル・ダグラスら比較的豪華なキャストで「火曜サスペンス」化したみたいな,サスペンスに乏しいサスペンス映画. フェルナンド・メイレレス監督『シティ・オブ・ゴッド』は,ブラジルのスラム街で殺し合う青少年ギャングたちの日常を描く実話.陰惨な社会派映画で終わりそうなところを,スタイリッシュでクールが映像が救っている.確かに「タランティーノなんて目じゃない」巧緻な暴力映画かも. ハンス・クリストフ・ブルーメンベルグ監督『ベルリン忠臣蔵』は,ベルリンにも忠臣蔵にも関係ないバカ映画(原題は『侍の夏』)で,武士道を「真面目に誤解して」作っているだけに,救いようがないトホホ感.監督は映画評論家だそうで,独逸にも水野晴郎がいたんだ....と思わせる. チャック・ワークマン監督『ビートニク』は,米国サブカル史のお勉強映画.基本的にはドキュメンタリーだが,ジョン・タトゥーロ, ジョニー・デップ, デニス・ホッパーによる「再現フィルム」を挟んで退屈さを救ったり/助長したりしている.ビートニクってのは結局ギンズバーグ,ケルアック,バロウズの三巨頭の「生き様」(ゲゲーッ)であって,芸術運動でも社会運動でもなかったということは分かった.唯一運動めいたことをしてたギンズバーグが,胡散臭い. で,NHK教育『英語でしゃべらナイト』をたまたま観たら,ジミー・ペイジやらジーン・シモンズがゲスト出演してて,制作スタッフの趣味丸出しの番組であった.司会進行がパックン,キャスターが釈由美子に大江千里(日本を代表するロッカーだって),ジミー・ペイジにビデオレターで質問するのが野村義夫(日本を代表するギタリストだって),というキャスティングが何と言っていいやら,すごい.そして本番中に本気で釈由美子を口説くオヤジ(ジーン・シモンズ.メイクなし)....
2004/04/09 GESO
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