タイトル | : 2005/07/17■116 うるめの夏((c)あかなるむ) |
記事No | : 216 |
投稿日 | : 2013/10/05(Sat) 16:18:53 |
投稿者 | : 管理人 |
[夢] 拙脳内には夢の検閲官が不在とみえ,見る夢の殆どは怖いかエロいか,いずれ分かりやすいものばかりなのだけれど,時々不可解な夢も見る. ********************************* 往年の雑誌「少年」が,廃刊にならず続いている世界. 仕事で上京した友人が,「少年」の付録付きバックナンバー――そんなの現存してたらすげぇ高いぞ――も置いてあるマニア向けの本屋を訪ねるのに付き合う. 何十年ぶりかで最新号をパラパラ読んでみたら,内容が中高年向きの健康記事ばかりになっていたので,驚く. 「なんで「少年」の中身が「壮快」みたいな爺臭いもんになってるの?」 「別にいいんじゃない? 誌名が変わらないで内容が世に連れて変わったって.読者と共に年老いてきたんだよ,きっと」 「でも,「ジャンプ」だって「少年」とか「ヤング」とか「ビジネス」とか,まぁ年齢だけが基準じゃないけど,セグメント化されてる訳じゃない? その方が分かりやすいでしょうに」 「誌名なんてどうでもいいんだよ.決まった読者がついてるんだから」 「中学生だって一年生から二年生になったら「中一コース」から「中二コース」に代えるでしょ.あくまで毎年「中一コース」を読み続ける奴なんていねぇよ」 「いたって構わないじゃない.「少年隊」だってわざわざ「中年隊」に改名しないでしょ」 といった,どーでもいい,噛み合わない議論が延々と続く... ********************************* 前後の状況は忘れたが,ともかく小憎らしいチワワを蹴飛ばしたら,遙か空の彼方まで飛んで行って見えなくなった.キャイ〜ン. 踏み潰しても良かったのだけど,感触が気持ち悪そうだからやめたようである. いや,ドーブツ虐待はいけませんよ――犬は別として. ********************************* うーん,見た直後はすごく面白かったのに――時に笑いながら目を覚ます.人が見たら気持ち悪かろう――後で文章にする段では,脚色しないと余り面白くないものだな.
[映像] ○ドーリス・デリエ『MON-ZEN』 99年独逸.それぞれに家庭問題を抱えた馬鹿兄弟が,日本の禅寺に修行に来る,ウルルン滞在記風偽ドキュメンタリドラマ.ビデオ撮りの馬鹿映画ながら,格好つけてるだけの『ロスト・イン・トランスレーション』などより余程リアル. ×ボブ・ジラルデ『ディナーラッシュ』 結末を観て,なんだ,最初からそうすりゃ良かったのに,今までの話は何だったんだ?と思わせる映画って,やっぱり駄目なんじゃないだろうか. △スコット・ヒックス『シャイン』 強権的な父親の下で精神を病んでいった天才ピアニストの生涯を描いた作品.実話に基づくらしい.余りにも精神分析向きのシナリオで,むしろ嘘臭いが,こんな糞親父さっさと殺っちゃえばいいのに(結局は病死),ぐらいの感情移入はできる. ○エミール・クストリッツァ『パパは、出張中!』 題名から軽めの映画を想像すると裏切られる.監督じゃなくて脚本のアブドゥラフ・シドランの自伝的作品らしい.50年代チトー政権下のユーゴスラビアが舞台で,当時の情勢の予備知識がないとかなり分かりにくいが,「東亜細亜的専政」によく似ていたんだなとか,興味深い発見あり.主役の早熟な7歳児の視点から概ね描かれているが,身も蓋もない性描写を含めてなかなか醒めてていい感じ.ヌルくない『ニュー・シネマ・パラダイス』みたいな所も. ×ポール・マクギガン『ギャングスター・ナンバー1』 英国のB級ヤクザ映画.マルコム・マクドウェルの若い頃の役がポール・ベタニーってのは無理ありすぎだが,往年のデイヴィッド・ボウイ似のベタニーの酷薄なサイコヤクザ演技はカッケー.お話自体は深みがなく,若造監督が達者な役者連中に支えられて何とか成立した感じ. ×平山秀幸『レディ・ジョーカー』 原作は大分前に読んだので忘れてしまったが,これほどスケールが小さく説得力もない話ではなかったように思う.観客よりも石原プロに気を遣って作ったせいか,何もかも中途半端.「21世紀の石原裕次郎」徳重聡の演技,ひどすぎ. ×真島理一郎『スキージャンプ・ペア2』 ちょっとマンネリ.特典映像「ペアジャンプと世界のハト」の方が面白い. ********************************* そういえば,全く期待してないけど『姑獲鳥の夏』は観に行かねばならない.本作がヒットしないと,いちばん映画化して欲しい『魍魎の匣』の映画化は不可能だろうから.
[文章] 北森鴻△『狂乱廿四考』・○『狐罠』・△『狂笑面』・○『狐闇』 達者.狐ファンになりました. △山田宗樹『聖者は海に還る』 今回のプロットはちょっとシンプルすぎる感じ. ○沼田まほかる『九月が永遠に続けば』 58歳で初めて書いた小説がホラーサスペンス大賞受賞.大したものである.陰惨な物語だが,巻置く能わず.重箱の隅をつつくような批評も目にしたが,俺は支持. △柳広司『はじまりの島』 孤島での連続殺人+歴史上の人物が探偵役という手垢に塗れたお約束のうえでミステリを書くには,余程プラスαの工夫が必要.本作の舞台はガラパゴスの島の一つで,探偵役はダーウィンというなかなかわくわくする設定だし,ポイントとなる「動機」も面白いのだが,説得力が今イチで,残念. ○諸星大二郎『キョウコのキョウは恐怖の恐』 初の小説集でこの水準は流石.ホラーというより怪談の趣.悪夢的雰囲気濃厚. ********************************* 『フラナリー・オコナー全短編』上下巻を読み始める.いい感じ.
2005/07/17 GESO
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