タイトル | : 2006/06/12■130 今日も一人明日も一人タコから逃げてフグ |
記事No | : 230 |
投稿日 | : 2013/10/05(Sat) 16:31:54 |
投稿者 | : 管理人 |
[地獄の季節] 4月にも増してろくなことのなかった5月は終わったけれど,6月に入ってからも心身共に不調が続く. 咳き込みの方は結局蓄膿症が遠因ではないかということで,投薬を続けている. それで咳は暫く治まっていたのだけれど,一時またぶり返し,それに伴って背中に激痛が走り,寝返りも打てない状態になった. 病院で色々検査したところ,結局肋骨が1本疲労骨折していることが判明.2箇月くらい安静にしていれば自然治癒するということだが,その間はゴムバンドを巻き付けたり湿布したり痛み止めを飲んだりしていないと,耐え難い. そろそろカダラにガタがきてるのね.きても不思議はなけれども.
[観る快楽] ○中島哲也『嫌われ松子の一生』(2006) 予告編を観たときは「あのシリアスな原作を極彩色のミュージカル仕立てにしたんじゃ無茶苦茶になるのでは」と危惧したが,杞憂に終わった.悲惨さと滑稽さの両極間を猛スピードで往復するジェットコースターの如き傑作. ○田中登『屋根裏の散歩者』(1976) 映画館で観るのは12年ぶり・3度目.江戸川乱歩の変態小説をアレンジしたもの――「屋根裏」の他に「人間椅子」もミックスされている――だが,ここには明智小五郎は登場せず,快楽殺人者たち――宮下順子と石橋蓮司.カッケー!――は連続殺人遊戯に成功するも,屋根裏で性交中関東大震災に遭って死ぬ. △田中登『女教師 私生活』(1973) 色々「実験的」な試みをしているけど,今一つ散漫な出来.この頃は特に性描写への規制が厳しかったのか,ひどいときは画面の殆どにボカシが入り何が何だか分からない.高校生役の風間杜夫が初々しい. △篠田正浩『三味線とオートバイ』(1961) 篠田監督のデビュー作.モダンである.桑野みゆきは,美人というのじゃないけれど,凄く可愛い.母親役の月丘夢路の方は婀娜っぽい. △川島雄三『あした来る人』(1955) 井上靖原作の恋愛群像ドラマ.新珠三千代が綺麗.昔の映画は俳優を観るだけでも楽しめて良い. △石井輝男『セクシー地帯』(1961) 主演吉田輝雄・三原葉子.新東宝の映画にしては精一杯頑張って軽快に作ろうと試みた感じのサスペンス・コメディだが,この監督だけあって何だか変てこな雰囲気. △杉江敏男『歌え!青春 はりきり娘』(1955) 美空ひばり映画.本作品では,「りんご追分」のピアノ弾き語りをするひばりちゃん,音痴を演じるひばりちゃんが観られるところが貴重. △田中登『人妻集団暴行致死事件』(1978) サイタマの鬱屈した若者たちが犯した現実の事件に基づくドラマ.室田日出男と古尾谷康雅の演技が光る.死体役の黒沢のり子は,瞬きができなくて大変そうであった.
[読む快楽] 都筑道夫を読みまくる.×『目と耳と舌の冒険』・△『南部殺し唄』・△『髑髏島殺人事件』・△『目撃者は月』・△『骸骨』・○『吸血鬼飼育法』・○『ダウンタウンの通り雨』・○『退職刑事』・△『退職刑事2』. エッセイ集『目と耳と舌の冒険』は,情報は充分詰め込こまれているが,ガイドブックとしては大変読みづらい.作者が相当気難しい人であることも分かる. 宇能鴻一郎の文体で書かれた女探偵コーコシリーズ『南部殺し唄』のような軽妙な作品は悪くはないが,殺人事件が起こる割には深刻さがなさすぎるのにちょっと引っ掛かる.恐らく作者はこういう小説をリアリズムの文体で書くのは野暮だと思って,わざとそうしているんだろうが... 『ダウンタウンの通り雨』のような軽いハードボイルド,『退職刑事』シリーズのような極力贅肉を削ぎ落とした本格ミステリは,俺の好み. この先時代小説も含め10数冊控えているので,じっくり楽しみたい. ○森脇真末味『おんなのこ物語』 70年代末のロック・バンド漫画.気恥ずかしいくらい真面目だが,今時のロック漫画よりいいじゃないすか. ○天野頌子『警視庁幽霊係』・○『恋する幽霊』 西澤保彦タッチのライト・ミステリ.イラストは坂田靖子.萌え要素も入ってて楽しい. ?山田正紀『翼とざして アリスの国の不思議』 何で設定が1972年なのか,何で主人公が若い右翼グループなのか,謎は多い.一歩間違えばバカミスになりそうなトリックを幻想的な文章が救ってる.秋に出る予定の姉妹作と2冊で完結するらしい. 見渡せば積ん読の山...
2006/06/12 GESO
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