タイトル | : 2006/08/20■134 金井美恵子は悪口だけを書いていればいいと思う |
記事No | : 234 |
投稿日 | : 2013/10/05(Sat) 16:40:51 |
投稿者 | : 管理人 |
[エアもの] 思えばエアものは昔からあった.(ジェファーソン)エアプレーンだとか,エアポケットだとか,エアロビクスだとか,象印エアポットだとか,エアロスミスだとか.←意味が違うよ! エアギターも昔からあった――永ちゃんも演ってた――けど,最近のはそれをやや精緻にした感じ――なのか? エアボーカルも,グラミー賞を獲った某グループがやって顰蹙かったこともあったな.昔は「口パク」と言っとったもんぢゃ. エアセックスは,漫画では半田溶助がやっとったが,実際に公然とやる奴が現れるとはのう. エアもののメリットは,カネがかからないという点に尽きる. ペットのエアドッグを連れて,公園のエアベンチでエアー彼女とエアランチするのも安価で結構ですが,ハタから見ればただの危ない人ですから,屋外でエア行為をする際は注意が必要でしょう.
[今朝の夢] GGが武道館で来日コンサートするというテレビニュースを見ている. 「誰が見に行くんですかねぇ」という失礼な解説が入る. 来日記念シングルが嬉しいことに新曲で,しかもたどたどしい日本語歌詞だ.どんな曲だったか目が覚めたらすぐ忘れてしまったのが残念だが,シカゴの「ローダウン」を連想させる曲だった気がする.←喩えが古すぎるよ!
[かんそう] 一人ボケ突っ込みはこのくらいにしといて. ラピュタ荒木一郎特集を完観.後半の3作. ○中島貞夫『まむしと青大将』(1975) 菅原文太・川地民夫のコンビによる「まむし」シリーズの最終作(9作目).このシリーズ,見逃してたのが残念.二人の他にも川谷拓三,緑魔子,悠木千帆,金子信雄,渡辺文雄,室田日出男,志賀勝,坊屋三郎等,キャスティングだけでお腹一杯になるお得感.イカサマ雀士役の荒木は,終盤,佐藤蛾次郎に刺されてあっさり死ぬ. ○野田幸男『0課の女 赤い手錠』(1974) 原作が篠原とおるの,『女囚さそり』シリーズの姉妹作みたいな劇画だけに,セックス&バイオレンスを強調した劇画調作品だが,最後まで疾走感があってよろし.荒木は敵役グループの一員の無口なナイフ使い役で,殆ど台詞なし.終盤.刑事役の室田日出男と相討ちになって死ぬ. △中島貞夫『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』(1973) スウェーデンの国際ポルノ・アイドル,懐かしのクリスチナ・リンドバーグを観られるだけで嬉しい.「ロードムービー」と紹介されているが,そんなに移動しちゃいないよ...東京の後はずっと京都だ.クリスチナは本人が気付かぬままシャブの(受取証の)運び屋にされた旅行者,荒木は偶然にも彼女を誘拐〜監禁することになる根暗な青年という役.スウェーデンだからというわけでもないだろうが,クリスチナはストックホルム・シンドロームになって(以下略). 新文藝座の今村昌平特集から6本観る. ○今村昌平『豚と軍艦』(1961) 現在の日米関係も,本作で描かれている当時と大して変わってないんじゃないの?と思わせる植民地映画の傑作. ○同『赤い殺意』(1964) あー,田舎って本当に嫌だなと思わせる,悲惨さと滑稽さが同居するリアリズム.映画版『嫌われ松子の一生』は本作の遠い親戚という気がする. ○同『にっぽん昆虫記』(1963) 映画館で観るのは初めて.こっちは『(秘)色情めす市場』の遠い親戚.左幸子――意外に乳がでかい――が蚕を握りつぶす場面が目に焼き付いて離れん. ○同『「エロ事師たち」より 人類学入門』(1966) これも映画館では初めて.野坂原作.小沢昭一一世一代の大活躍.坂本スミ子大熱演.近藤正臣マザコン役似合う. △同『神々の深き欲望』(1968) 途中に休憩が入る映画は『七人の侍』以来かも.南国指向がないせいか,南の島の映画を観るとゲンナリしてしまう.沖山秀子の野性ぶりは魅力的だけど. △同『西銀座駅前』(1958) フランク永井の同名曲――「ABC・XYZ」が口癖という,あり得ない男の歌――に因んだ他愛ない歌謡コメディ. 他に観たもの. △小川欽也『生首情痴事件』(1967) パートカラーの大蔵映画.怪作を予想して観たら意外にオーソドックスで,「四谷怪談」を踏まえた怖がらせ方.出演者全員,妙に滑舌がいいのが気になった. ×パンナー・リットグライ『七人のマッハ!!!!!!!』(2004) ともかくガチンコの体技を見せたい!という気持ちは分かるけど,演出というものもちょっとは考えて欲しい. △アレクサンドル・ソクーロフ『太陽』(2005) 映像的な美しさ,緩やかな物語の進行,笑っていいのか悪いのか戸惑うギャグの組合せがチグハグで,何とも妙な印象だが,監督にとってはファンタジー映画なのかも.ただ,真面目に作っていることは確かだが,イッセー尾形を既に知っている日本人観客の目には,彼の演技がどうしても「イッセー尾形が演じる昭和天皇コント」にしか見えないというハンデが... ○細田守『時をかける少女』(2006) たまには甘酸っぱい映画も観ないとね.大林版の呪縛を逃れた新しい『時かけ』が初めて誕生した,という感じ.スケール感が乏しいことと主題歌が今イチな点を除けば,老若男女素直に感情移入できるであろう,原作を「今」仕様に換骨奪胎した上出来のアニメ. 疲れたので,本のことはほんの少し. 連載完結を機に井浦秀夫『AV烈伝』既刊5巻をイッキ買い(最終第6巻は9月刊行)――正確にはまんだらけで3冊,ブックファーストで2冊購入.作品論でも作家論でもなく,人間図鑑としてのドキュメント漫画.偉業なので○. 山田正紀『カオスコープ』は,もとよりあの映画(秘す)にインスパイアされた作品というだけあって,最初から映像で作られた方がふさわしい作品に思えた――ということは,小説としては失敗? いや,SFミステリとしては水準いってると思うけど.「映画ではふつうにできることがなかなか小説では難しい」なんて,正紀様のようなベテランに今更弁明して欲しくないなぁ...△. 恩田陸『ネクロポリス』上下巻は,山口雅也のパラレル英国ものを想起させる,ケルト+英国カソリック+日本神道が混淆した英国近傍の「ヒガン」の島を舞台にした物語――この三つが本当に混淆してたら,もっと怖いものになったろうに.登場人物の「ミステリとファンタジーとホラーが混ざっている状況は、今いち好かん」という台詞に,語るに落ちた感が...例によってそこそこ上手いので△.
2006/08/20 GESO
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