タイトル | : 2007/01/19■140 かもされてかも |
記事No | : 240 |
投稿日 | : 2013/10/05(Sat) 16:45:18 |
投稿者 | : 管理人 |
[久々に観たもの] ○浅川マキライヴ於新宿PIT INN(2006年12月28日) 恒例の年末連続公演.中日に行ったのは初めてだが,初日よりもかなりこなれてると思わせる出来で,良くも悪くも安心して観ていられる感じ. いつもの渋谷毅(p, org)とセシル・モンロー(ds)のサポートに加え,向井滋春がゲスト参加し,メイン楽器のトロンボーンの他にチェロも演奏した.彼の演奏を聞くのも久々だし,チェロを聞くのは初めてだが,概ね大人しい伴奏に徹しつつも,時々フリーフォームに走りたがる場面もあって,微笑ましかった. 俺はかねてから「浅川マキ=裏・美空ひばり」と思っていたけれど,彼女が実際にひばりの演目を歌うのは聞いたことがなかった. それだけに,今回初めて,アンコールで「悲しき口笛」をア・カペラで2コーラス歌うのを聞けたのは,拾いものだった. 恐らく今後レコーディングされることもないだろうし,ライヴで歌われることも滅多にないだろう. ○Bunkamuraザ・ミュージアム「スーパーエッシャー展」 芸術家というよりもお茶目な数学者といった風情の版画家 エッシャーの大規模な回顧展.一見冷徹でありながら幾何学的詩情が漂う作風が好きで,大昔からファンだが,それにしても,初めて目の当たりにした膨大な超絶技巧作品群には,圧倒された. 実際に使った版木の一部も展示されているから,「本当に」木版作品だということは分かるのだが,それにしても恐ろしく緻密である. 人気のガチャポンでは,「でんぐりでんぐり」のフィギュアは外れたものの「深み」の魚が当たったので,まぁ良しとする. 土産に買った『CONTRAST』というDVDでは,「動くエッシャー作品」が見られて楽しい.CGの正しい使い方の例. △森美術館「ビル・ヴィオラ:はつゆめ」 こちらも大規模なインスタレーション.コンセプトが明快で,1作品1アイディアといった作りのビデオが多いから,芸術マニアでなくても楽しめそう. ヒトの喜怒哀楽の感情が表情や身体の動きに現れる様子を子細に分析するために,明瞭な画像を極端な低速度で再生する類の作品が多い――1分間の録画を81分かけて再生するとか. 確かにそれはそれで興味深いのだが,根本的な問題として,ここで記録された感情表現自体が,作品のために「演じられたもの」であることに,釈然としないものを感じる. もちろん,演技であろうと素であろうと,映像が「形」と「動き」しか記録できないことは事実なのだが... ○今敏『パプリカ』(2006) 今敏が同業他者と較べて優れている点は,映像技術だけではなくストーリーテリングも巧みなところだろう.本作には原作――筒井の今のところ最後の傑作...と俺は思っている――があるが,そのキモを生かしつつ,奔放なアレンジを加えている.パプリカ/千葉敦子のキャラには,ロリ好きもお姉さん好きも共に満足させるエロさがあるから,こりゃあ受けるでしょう.
[去年のツヅキです] 今年に入って廻った古本屋は既に59軒.自分でもどうかと思う.更に,ネット上の古本屋も多数渉猟. 頑張った甲斐あって,山田正紀本は全部揃った.怖いので数えてないが,全部で160冊以上ある筈. 都筑道夫本はあと6冊で目標に達するのだが...いくら欲しくても,どこにも出回ってないもの――『アダムはイヴに殺された』など――や,売ってても値付けが高すぎるもの――『いじわるな花束』35,000円など――には手が出せないから,これからが更に大変なのだった.
2007/01/19 GESO
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