タイトル | : 2007/06/26■144 本ばかり読んでると馬鹿になる |
記事No | : 244 |
投稿日 | : 2013/10/05(Sat) 16:48:27 |
投稿者 | : 管理人 |
[欧米の小説や映画の原題は何故あんなにそっけないのか] と,モー・ヘイダーの2作目『悪鬼(トロール)の檻』を読んで思った. 本作の原題は実にシンプルな "THE TREATMENT" で,タイトルの由来は読み通せば納得できないこともないが,邦題の方がより適切かつキャッチィで良いと思う. 内容の方は――「方は」なんて言うなよ――良くできたサイコスリラーで,映画化にも向きそうだが,何とも後味が悪くてねぇ... 逆に――という接続語も定着してるが不適切な場合が多くこれもその例外ではない――工夫に欠けているのは,昨今の洋画の邦題である...という文句は,前にも言った気がする. 例えば『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』. 英語を片仮名に置き換えて済ますなら,原題どおり『パイレーツ・オヴ・ザ・カリビアン アット・ワールズ・エンド』にするべきだし,直訳に近い形で日本語化するなら,『カリブの海賊3 世界の果てで』程度には,して欲しい. 因みに『カリブ...』は,観たけれど,前2作を丁寧に観ていても/いなくても分かりづらい内容で,辻褄合わせのために無理矢理込み入った物語をでっち上げた感じ. 漫然とディズニー映画を観に行く観客のレヴェルに合わせる親切さてぇもんが必要じゃなかろうか? 馬鹿でも楽しめるんでなきゃあ,ハリウッド映画じゃないでしょ.
[売れるものがあるうちはいい] 置き場に窮して,何年ぶりかで本を売ることにした. 手近に転がってる中で再読しなさそうなものを見繕い――ちゃんとチェックすると手放し難くなるから,あくまで適当に見繕い――取り敢えず段ボール一箱に入るだけ,数えずに詰め込み,近所のブックオフに持ち込んだ. 計54冊あったようだが,値が付いたのは40冊のみで,対価は僅か2,400円. 全く二束三文だけど,仕方ないっすね... 少なくとも,あと二,三箱分は処分しないと当面どうにもならない,俺の部屋.
[売るそばから買ってるからいけないの] ○佐藤亜紀『ミノタウロス』 革命前後のロシアを舞台に,百姓から成り上がったプチブルの息子が一人称で語る歴史冒険小説.長編にしては短めだが,濃密で読み応えある. アナーキズム+エゴイズムを徹底した――でもニヒリズムは,鈍重になるからであろう,避けた――爽やかな青春ピカレスクロマンで,この作者のものにしては,一般人にもかなり取っつきやすい,通俗的な仕上がりになっている――初出「小説現代」だしな. とは言え,豊獲拡・里茲Δ法崢礁攵泙・海虜酩覆鯡技襪靴燭蘊仍漾廚覆鵑童世Δ里蓮れ殳・琉セd櫃靴箸いΔ發里任△辰董つ迷・・劵紂璽泪縫坤爐侶臺劼發覆い箸海蹐・鵬・碧楮遒紡个靴督礁攵泙・嵳燭┐蕕譴襦廚箸垢譴弌い爐靴躰採蕕箆辰任任呂覆い・靴蕁・ でも,万一「直木賞あげる」と言われたら,辞退するのかな,それとも貰えるもんは貰うのかな? ○北杜夫『楡家の人びと』上下巻 今どきこれを読むの?感はあった.北杜夫を読むなんて,確かに小学校以来だし. でも実際,三島由紀夫も辻邦生も倉橋由美子も絶賛するだけのことはある,読み終えるのが惜しい大河小説ではありました. ○酒見賢一『童貞』 煩いくらい能弁な後書きは好き嫌いが分かれところだろうが,この人の小説もハズレなし. 古代中国の架空社会を描いた濃厚な小品. ○松井今朝子『吉原手引草』 標題どおり吉原ガイドブックでもあるミステリ.幾つもの味が楽しめる美味しい傑作. その他,とりのなんこ『とりぱん』第3巻,『田中圭一マガジン Comicサイテー』,芳崎せいむ『金魚屋古書店』第5巻,石川雅之『もやしもん』第5巻等を購入. 概ね○でしたが,『もやしもん』のオマケが前巻のオマケの縮小再生産版みたいなケータイストラップだったのには,ちょっとガッカリ.
[ありものも当然読む] 積ん読にしてた山田正紀を全部読了し,正紀本で読むものがなくなってしまった. 予告された新作群(少なくと3冊)は遅々として出版されず,ファンとしては悶々とする日々である. まぁ,他の積ん読本も山になっているので,読むものが尽きて困ることは当分ないのだけれど...
2007/06/26 GESO
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