タイトル | : 2010/07/11■181 夏の衝撃 |
記事No | : 262 |
投稿日 | : 2013/10/05(Sat) 21:20:55 |
投稿者 | : 管理人 |
今度は小山博人が亡くなった.一昨日の通夜と昨日の告別式〜葬式に参列.もう彼の屁理屈を肴に酒が飲めないと思うと,淋しくてならない. ここのところ毎年,50代の旧友たちの訃報が続き,全く閉口する.
パク・ヨンハ自殺の経緯の報道を読んで,溺れた犬を叩くとき韓国人は日本人以上に手加減しないのか,と思った.儒教の精神はどこに行ったのかね.
○中島哲也『告白』(2010 日) 希有なことに,小説原作を凌駕する映画.較べてみると原作の不器用さが分かるので,本作の大ヒットは湊かなえにとって嬉し恥ずかしなのではないか. 『嫌われ松子の一生』もそうだったが,映像がスタイリッシュすぎる憾みはあるものの,陰惨な物語を,緊張感を保ちつつ ときに笑える娯楽映画にアレンジした監督の技は,なかなかのものである.
△無人駅公演『泪橋哀愁倶楽部』(高円寺明石スタジオ 7/3) 役者連中の奮闘ぶりは良かったけど,こんなにベタな人情話だったら,本物のドサ芝居を観る方がしっくりくるのではないかしら. 昭和20年〜50年の間で何度か時空を行き来する所がプラスαの要素なのかも知れないが,SF的には扱い方が古すぎるし,そもそもタイムトラヴェルを持ち出してくる必然性が感じられない――つまり,脚本が良くないってこと.
○吉田秋生『海街diary 3 陽のあたる坂道』(小学館フラワーコミックス 2010) ○諸星大二郎『西遊妖猿伝 西域篇2』(講談社 2010) 両作品の共通点は,ゆったりしたペースで雑誌連載されていること.このままいつまでもじっくり描き続けて欲しいと願う.
○三橋俊明『路上の全共闘 1968』(河出ブックス 2010) 日大全共闘だった筆者の回想録だが,数多の全共闘本との差異――「政治」ではなく「直接自治」を選ぶ身体性――を読み取るべき重要な本.
△松井今朝子『今朝子の晩ごはん 仕事も遊びもテンコ盛り篇』(ポプラ文庫 2010) ブログの文庫化.最初の2冊は既読,次の2冊を飛ばして,最新5冊目を入手. 2009年前半の日録だが,当時の首相はアソーで,民主党政権誕生前夜だったんだ... 既に懐かしく感じるというのは,困ったものである.
○久住昌之×谷口ジロー『孤独のグルメ』(扶桑社文庫 2000.親本 1997) 読んではいたが,買うのは初めて. 主人公が下戸だから今ひとつ感情移入しきれないが,あぁ,当時は新幹線でも煙草が吸えたんだとか,池袋西武百貨店屋上のかるかやはまだあるのかな(←あるみたい)とか,掲載されてた「PANJA」って雑誌,全然印象に残ってないなとか,多方面から「懐かしさ」が惹起される漫画である.この本がブクォーフで105円で買えるようになったこと自体,時の流れを感じさせる... ただ,出てくる店の名前が実名を微妙に変えた仮名である点にはちょっと苛立つ.これだけ具体的に描写しながら,実名だけは出しちゃいけないのかね.
2010.07.11 GESO
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