記事No | : 109 |
タイトル | : 2000/06/15■010 雨降りだからミステリーばかり読んでいた |
投稿日 | : 2013/10/05(Sat) 09:04:41 |
投稿者 | : 管理人 |
[雨降りだからミステリーばかり読んでいた]
雨降りじゃなくても読んでるか.ここ1週間で読んだ本のメモ(ネタばらし自粛).
西澤保彦「スコッチ・ゲーム」(角川書店)★★
ファンサービス過剰の神麻嗣子シリーズよりも,この作者にしては珍しくSF味のない匠千暁シリーズの方がずっと面白いと思うのだが,余り売れていないようだ.ただ,本作は単品として読むにはちょっと難あり.
乙一(おつ・いち)「夏と花火と私の死体」(集英社文庫)★★★
『ジャンプノベル』まではチェックしてなかったよ.表題作の文体は「邪道」とも言えるが,一度だけなら許そう.このデビュー作を16歳のとき書いたというのは確かに非凡.他も読みたい.
愛川晶「七週間の闇」(講談社文庫)★★★
チベット仏教と生命操作を結び付けた力業.貫井徳郎+北川歩実といった味わいか.
山田正紀「たまらなく孤独で、熱い街」(徳間文庫)★★
本格推理移行前の作品で,トリッキーな部分はまだ乏しいが,不穏な山正節は今と変わらず.
恩田陸「月の裏側」(幻冬舎)★★★
古典的な「盗まれた町」テーマ(ということを作者はかなり最初の方でバラしてしまう.自信の表れか)でも,まだまだ面白いものが書けるのだな.どうしても森青花「BH85」(新潮社)を想起してしまうが,あっちは★.恩田はどんどん巧くなってるが,宮部みゆきみたく巧くなりすぎないで欲しいものだ.
2000/06/15 GESO