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記事No : 221
タイトル 2005/10/17■121 烏賊の目にも涙
投稿日: 2013/10/05(Sat) 16:23:30
投稿者管理人

[隠語]
 アイワイバンク銀行――○○バンク銀行なんて変な感じ.スミダガワ・リヴァーもそうだけど――が改称して「セブン銀行」になったけど,「セブン銀行」って,確か「質屋」の隠語じゃなかったかしら? 古い話ですが.

[猫]
 最近夢に出てきた猫二様.1.烏賊の目をした猫.2.開けた口の中が摩天楼街の猫.いずれも可愛いというよりも気色悪かった.

[何とか本を読み繋ぐ]
△後藤均『写本室の迷宮』
 最後が「続く」みたいな終わり方.そりゃないぜ,セニョール!
○小谷野敦・斎藤貴男・栗原裕一郎『禁煙ファシズムと戦う』
 実は科学的証明が為されているとは言えないのに,反喫煙派は「喫煙=有害」説を疑い得ぬ前提としているため,同じ土俵に立って議論することすらできない――というのが喫煙派の嘆きであり,「禁煙ファシズム」と名指す所以である.恐ろしいのは,この禁煙運動が,健康増進法推進の橋頭堡に過ぎないこと.国家に奉仕するために健康体であれ,異議を唱える者には「隣組」が制裁を加えよ――なんて社会が実現しつつある訳だ,千代田区辺りを皮切りに.
△久世番子『暴れん坊本屋さん』
 あらゆる職業の内幕が漫画形式で情報公開される時代である.次は暴れん坊葬儀屋さんか,暴れん坊廃品回収業さんか... 本作は情報として面白いことは面白いが,漫画としては残念ながら余り芸がない.
○芳崎せいむ『金魚屋古書店出納簿』上下巻・『金魚屋古書店』1・2巻(連載中)
 見当もつかない蔵書量の書棚が地階で迷路を成している,夢の漫画専門古書店「金魚屋」を舞台にした,古い漫画を巡る人情噺シリーズ.ノスタルジアに淫しているとの批判もあろうが,漫画好きならグッとくること必至.懐エロ漫画も採り上げて欲しいと思うが――『やる気まんまん』だとか.
○松田洋子『まほおつかいミミッチ』第2集
 作者の性格の悪さ・貧乏臭さ・オヤジ駄洒落量・ネーム総量から言って,総合評価目下日本一のギャグ漫画?だよう...
△新井祥『性別が、ない!』
 両性具有漫画家による体験漫画.性同一性障害者の多くが「男でも女でもいいから,どちらかはっきりしたい」という悩み=願望を持つのに対して,この作者は「フタナリだからどっちともやれていいじゃん」と,あくまでポジティヴなのだった(だけどペニスは模造品着用).
?『石ノ森章太郎萬画大全集』全500巻
 刊行開始.全巻揃えると617,400円也.置き場所に困るわなー.DVD版でも出せばいいのに出さず,特典DVDが1枚付くだけらしい.どうせ買わないからいいけどさ.

[肉声の楽器的使用について――非楽ノオト]
 楽器が肉声を目指しているというのに肉声の方が楽器を目指すというのは倒錯的と言わざるを得ないが,倒錯の悦びに打ち震える向きもあるので,それなりの需要もある次第.悩める人間であるよりはいっそ悩まぬ機械になった方が楽だというメンタリティに近いような,違うような.

[目の毒としての映画]
△ティム・バートン『チャーリーとチョコレート工場』
 ダールの原作にかなり忠実な造りだが,ウォンカ父子の確執と和解,チャーリー一家の絆の強さの強調といった原作にない描写は,バートンの最近の趣味であると共に,物語に深みを加えようとの試みであろう.だが,それは余り成功しているとは言えないし,そもそもキャロルのノンセンス文学に連なるダール作品に「深み」を加える必要なんてないんじゃないの,と思う.本作の見所はやはり工場見学の場面で,『オズ』や『狸御殿』をうんと豪華にした極彩色の舞台装置と,ウンパルンパの一人百役以上のブラックなミュージカルを,アトラクションを見るように楽しめばそれでいいのでしょう.以下余談.1.本物を訓練したというあの動物たちの集団演技も楽しい.2.デップの格好は確かにマイケル・ジャクソンみたいだ.3.同じ料金を払って観るなら,メルシャン品川アイマックスシアターの大画面がお得.初めて観たけど,でかーっ!
○石井隆『花と蛇2 パリ/静子』
 物語自体は絵空事のポルノに過ぎないが,丁寧な演出と迫真の演技で見応えある作品となった.石井監督はロマンポルノの良質な部分を受け継いでいる.杉本彩の体は程良い崩れ具合を含めて見事にエロい.遠藤憲一の駄目男ぶりの自然さの前にはオダギリジョーはまだまだだなと思う.そして,宍戸錠のそこまでやるか――当人は結構楽しんでるんだろうな――の演技.偉いよ,皆.
×三池祟史『IZO』
 70年前後のアングラ映画だったら超豪華・最高!と思ったかも知れないが,今更こんなもの作られても鼻白むばかりでねぇ...
△大島渚『新宿泥棒日記』『東京戦争戦後秘話』
 正にその70年前後の,青臭い心情左翼系アングラ映画.当時の「記録」としての価値はある.というか,それしか無い.極私的には『泥棒日記』以後には失われた,横山リエの初々しさが良かったけれど.

[区画整理――多事争論]
 日本には,小さな集団毎に様々なイデオロギーはありましたが,それを束ねる圧倒的に大きなイデオロギーがなかったため,国民は結局,資本=権力という相対的に大きな力に唯々諾々と従い,統制され得たのだと思います.
 最も大きなイデオロギーとしての宗教もありませんでした.国家神道などというものは,明治政府がでっち上げたものに過ぎません.
 世界に目を向けますと,三大宗教を始めとして宗教は確かに依然巨大な力を持っていますが,実際に世界を動かしているのは勿論,経済であります.
 そして,それぞれの国家は,様々な美名を装いつつ,経済の再編を主目的とした「区画整理」事業を行っているのです.
 西欧諸国が,なかなか難しいながらも「ユーロ」という通貨の下に統一されつつあるのも,大規模な区画整理の一種と言えましょう.
 今イスラエル政府がやろうとしてるのもまた,国家規模の区画整理でありまして,ガザの返還は,大きな目的のための譲歩に過ぎません,
 撤退を余儀なくされるイスラエル人入植者たちは,ダム建設の犠牲にされる村人みたいなものです.
 ガザ返還をあたかも自分たちのイデオロギーの勝利の如く喧伝するパレスチナ過激派も愚かなら,先祖の土地をパレスチナに売り渡したと怒るユダヤ教原理主義者たちも愚かなのではないでしょうか.
 宗教的憎悪の目眩ましを排して冷静な目で見れば,結局自分たちが宗教ではなく経済政策の下に踊らされているということや,そもそもこうした状況をもたらした元凶である欧米列強こそが,ユダヤとパレスチア共通の敵であることに気付く筈なのですが...
 性急な意見ではありますが,今日はこんなところで.

2005/10/17 GESO


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