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タイトル2010/12/31■187 さらば牛心主将
記事No268   [関連記事]
投稿日: 2013/10/05(Sat) 21:26:41
投稿者管理人
[IMAGINATION MORTE IMAGINEZ]
 ベケットが「想像力は死んだ.想像せよ」と書いたのは,1965年頃らしい.その頃既に想像力は死んでいた訳である.
 後に1977年に吉岡実が,1994年に辻井喬がこの言葉を引用しているところを見ると,若干生き延びていた想像力もあったが,20世紀末までには多分死に絶えたのだろう.

[最近よく来るメール]
 似たようなのが矢鱈に届くのだが,数打ちゃ当たるってことか.
 本気にして反応するノータリンな人もいるんだろうか?
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Subject:父の遺言により●●家の遺産の不要分【1億円】を皆様にお配りするつもりでご連絡させて頂きました。

突然のお願いに戸惑われるかと思いますが最後までお読み下さい。「お金は必要としている機関、法人ではなく、必要としている人に配りなさい」というのが父の遺言でした。遺産の分配は●●家代々続いている《極秘慈善活動》の一つでもあります。
今年は他界した父に代わり、●●家の跡取りである私、●●●●が一人で責任を持ってこの慈善活動を成功させるつもりです。
現在、既に数名の方にお声をかけさせていただいた所、6名様へ今回の1億円のうち半分の50,000,000円分お配り完了しております。●●家の遺産で現在残っている現金50,000,000円、この中より全額もしくは貴方様のご希望額分お受け取りいただくことが可能です。
こちらは決して汚いお金ではありませんしご負担になる事は一切御座いませんのでご安心下さい。ご送金につきましては従来の送金方法とは違い《迅速》かつ《安全》にお受け取りできます。
また、受け取った後の税金等は秘密厳守して頂ければ問題ありません。
なぜなら合法的な方法で免除する術がありますので、貴方様が希望する額、全てをご自由に有効活用して頂けると思います。

詳しい詳細をお話させていただきますのでご興味・関心をいただきましたら私のほうまで【詳細希望】とご連絡いただければ必ずご納得いただけるご説明をさせていただきます。
そちらに目を通していただいてからこちらの遺産分配の話を受けるかどうか決めて下さい。詳細を拝見して信用性がなければそのまま無視していただいても構いません。

突然のお願いに戸惑われるかと思いますが、貴方様を信用し全てをお話しております。信用ある受取人として、遺産分配に興味をいただけた場合は、必ず【詳細希望】と御本人様から返信下さい。
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Subject:お礼をお渡しする準備は出来ています。お話を聞いて頂けないでしょうか?

先日のメールは見て頂けたでしょうか?妻を失った悲しみを忘れる事は出来ませんが、一生懸命働いている社員の為にも仕事を投げ出すわけには行きません。以前お送りしたメールでも申し上げた通り毎月200万円の謝礼金をお支払い致しますので、なんとか仕事を続けて行けるようにメール友達という形で僕に力を貸して頂けないでしょうか?

お話した謝礼金200万と前金の100万は、すでにお支払いする準備ができています。1人で生活している僕には特にお金の使い道は無いですし、お礼をお渡しする事で喜んで頂けたら僕も嬉しいです。無理なお願いをしていることは承知していますが人助けだと思ってメール友達の件、引き受けて頂けないでしょうか?お時間がありましたらご連絡お願い致します。
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Subject:【緊急連絡】口座に入金できません

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[最近よく読む作家]
○カミラ・レックバリ『説教師』(集英社文庫 2010.原著 2004)
 レックバリの「エリカ&パトリック事件簿」シリーズ二作目.
 本シリーズの舞台は,著者自身の故郷であり,恐らく愛憎半ばするであろう,フィエルバッカという実在の町である.
 そこは,昔は漁港として栄えていたが,凋落し過疎化して,今は風光明媚な観光地/リゾートとして辛うじて生き延びている田舎町.若者は都会に出て行き,残された住民の多くは老人で,旧い因習が残っている... こんな町はどこにでも――勿論日本にも――ある訳で,それが世界中の読者に親近感を抱かせる要因の一つになっていることは確かだろう.
 そんな死んだように平穏な町を震撼させるのは,猟奇的な連続殺人事件であり,事件の背景には,旧弊な共同体ならではの複雑な人間関係や,旧家に纏わる出生の秘密がある... また,今回はカトリック系の新興宗教団体が事件の鍵を握っている.
 スウェーデン産の小説ということにこだわると気付きにくいが,作品の結構は横溝正史とさして変わりないから――もっともレックバリの方はあまりトリック=ハウダニットには関心がなく,ホワイとフーに注力しているようであるが――ミステリとしての親近感はそこに由来するのかも知れない.ただ,21世紀のミステリとしてどうよ,という気がしなくもない.
 兎も角,舞台がストックホルムのような現代都市だったら,血縁関係が重要な意味を持つ事件を説得力をもって描くのは困難だろう.
 この二作目も確かに良くできているけれど,主人公がエリカから相方のパトリックに替わっただけで,一作目と同工異曲の感が強い――『宮殿』に対する『ポセイドンのめざめ』みたいなものだ.シリーズ作品には心地よいマンネリズムも必要だが,三作目も同じ路線だったら,ちょっと飽きそう...

○飛浩隆『象られた力』(ハヤカワ文庫JA 2004)
 SF中編4作を収録.これで公刊された飛の作品集は全部読んだことになる(ファンクラブ?が出したという限定本を除く).
 センス・オヴ・ワンダーがちゃんとあって嬉しい.

△香山リカ『ポケットは80年代がいっぱい』(バジリコ 2008)
 精神科医としての著者の言説には興味ないが――勝間和代との関係は対立ではなく相互補完だと思うし――本書に限っては史料的価値があるかも知れない.
 アングラとサブカル両域を往復して過ごした医大生時代を振り返った「青春クロニクル」だが,率直な書きぶりには好感が持てた.
 最も納得できたのは,あとがきに示された時代認識だ.もとより「70年代」「80年代」などと区切りのいいディケイドで括ることが便宜に過ぎないのは,当然である.俺の認識では,敢えて括るなら1970年代半ばから1980年代半ば頃までが一括りできる時代ということになるのだが,香山の認識もこれに近く,時代の変わり目を1985年の「プラザ合意」に見ている.その後の「バブル景気」がマイナーな世界にまで影響を及ぼしていたことは――当時はそんな認識は全く持てなかったのだけれど――今となっては納得できる.
 あと,『HEAVEN』周辺の人たちについて「彼らの世界では「グズグズすること」が一種のお作法になっている」という描写にも同感.これは吉祥寺マイナー周辺の連中についても同様で,ライヴ打上げの飲み屋一つ決めるのにも,グズグズと1時間近く歩き回ったりしたこともままあった.
 オマケに載ってる中沢新一との対談(2007)を読んで,「リカさん,オウムや椎名桜子の話でも振って突っ込んだれよ!」と思ったが,勿論香山はそんな行儀の悪いことはしない.ニューアカ時代の業績を自負する中沢の脳天気な自己肯定ぶりにはある意味感心した.このくらいの図々しさがなければ世の中渡っていけないのだな...

○沼田まほかる『アミダサマ』(新潮社 2009)
 長編4作目.「スティーヴン・キングへの日本からの回答は『屍鬼』ではなく『アミダサマ』だ」というキャッチコピーを思い付いたけど,没ですね,すいません.
 (廃車場に棄てられた)冷蔵庫の中に遺棄された子供の独白から始まる所からして,例によって嫌ぁな物語であるが,今回は導入部やエピローグを含んで一般のホラー小説のフォーマットに近い作りになっており,読みやすい.
 『天使の囀り』『エクソシスト』『ペット・セマタリー』等,過去に読んだり観たりしたホラーを想起させるし,笑える場面さえある――勿論黯い笑いだけど.しかし,やはり尋常とは言えない過剰さがそこここに溢れ出している...

△沼田まほかる『痺れる』(光文社 2010)
 最新作は,初の短編集.
 レヴェルは高いしヴァラエティに富む――ユーモアミステリに近い作品すらある――半面,この作者でなければ書けないと思わせるものはなく,器用だという印象しか残らない所が淋しい.やはり長編型の作家なのだろうか.

[その他の作家]
○田中圭一『みなりの青春』(dcp 2010)
 尻窄みに終わった『鬼堂龍太郎・その生き様』以来田中圭一離れしていたが,久々に読んだ最新作は良かった.ケータイ配信していた四齣漫画で,本来の徹底下ネタ路線がいっそ爽やか.
 表紙で女子高生(みなり)が「都条例がなんぼのもんじゃい!! こちとら非実在青少年でい!!」と啖呵を切ってるエロ漫画の帯用コメントを,石原"卑しい政治家だからこいつの意見は聞く必要はない"慎太郎に貰おうとして,事務所に断られたというが,そりゃそうだろう.都知事様は漫画は下賤だから一切読まない――でも弾圧はする――そうだから... でも,都庁には見せたらしい.結局帯のコピーは「怒られるかなあ」というものだが,勇気があるんだかないんだか...

○連城三紀彦『私という名の変奏曲』(新潮文庫 1991.親本 双葉社 1984)
 冒頭から叙述トリックであることを隠さない挑戦的なミステリで,一人の女が七人の男女に七回殺されるという不可解な事件が描かれる.
 シャプリゾへのオマージュだろうが,巧緻さで本家を超えていると思う.
 シャプリゾと言えば『シンデレラの罠』は慥か映画化された筈だが――嘗て創元推理文庫のカバーにはそのスティル写真が使われていたと記憶する――再上映もビデオ化もされていない様子なのは,出来が悪かったからか? そもそもあの小説をどうやって映画化し得たのか? 気になる...

○南條竹則『満漢全席 中華料理小説』 (集英社文庫 1998.親本 1995)
○同『猫城』(東京書籍 2001)
○同『あくび猫』(文藝春秋 2000)
 南條さんの浮世離れした長閑で楽しい小説が売れない――大概初版絶版――とは,何と世知辛い世であることよ...

[その他備忘録]
△舛田利雄『女を忘れろ』(日活 1959)
 慥か70年代か80年代に観て以来,久々に観直した.堂々たる通俗映画(やや暗め).物語自体は陳腐↓.
http://www.weblio.jp/content/%E5%A5%B3%E3%82%92%E5%BF%98%E3%82%8C%E3%82%8D
 主役は勿論アキラとルリ子で,奮闘しているけれど,重要な脇役である南田洋子や金子信雄の演技のレヴェルには及んでいない.

△司凍季『さかさ髑髏は三度唄う』(講談社文庫 1999.親本 1993)
△「uramado outfits vol.3」 [PAN・los doroncos・鈴木健雄トリオ・ミック+西村卓也+森川誠一郎・石渡明廣+今井次郎+久下惠生・maher shalal hash baz](12/25,新宿JAM)
○倉地久美夫ソロ〜庭にお願い〜(12/28,高円寺円盤)
○倉地久美夫+外山明デュオ(12/29,高円寺円盤)

2010.12.31 GESO

タイトル2010/11/24■186 あなたのえらさはなんポッチ?
記事No267   [関連記事]
投稿日: 2013/10/05(Sat) 21:25:54
投稿者管理人
[NO THOUGHT, NO MUSIC]
△ドラム・マガジン・フェスティバル(10/23,24 DIFFER有明)
 ドラム専門誌主催による二日間のイヴェント.人気ドラマーのソロ又はリーダーバンドを結集した,読者=ドラマー志望者へのサービス企画というタテマエだが,ホンネが楽器メーカーと楽器店による商品プロモーションであることは,当然である.
 各社のブースが向かい合わせにびっしり並んだ通路を抜けなければライヴ会場である大ホールに入れない配置になっているの見るだけも,それは明らかだ.
 ドラムセット――アコースティックもエレクトリックもあり――やパーカッション,エフェクター,関連アクセサリーをブースで販売しているほか,ドラムクリニックや楽器の試奏コーナーも豊富.客や店員があちこちでてんでにドラムスやパーカッションを試奏しているので,喧しいこと夥しい.
 世間にはドラマー志望者がこんなに大勢いるのかと,正直驚いた.
 俺の目当ては外山明+倉地久美夫のライヴのみなので,二日目のごく一部を観ただけだが,ライヴ会場の防音が不充分なため,扉が閉まっていても外の音が常に漏れ聞こえてくるし,人の出入りでドアが開閉される都度,騒音がもろに飛び込んでくるのには,閉口した.
 熊谷徳明はフュージョンの典型のような16ビート叩きまくりの演奏.ドラム小僧にとっては良いお手本なんだろうけど,部外者にとっては面白くも何ともない.
 芳垣安洋のRADM Jaz――高良久美子(vibs)・高田漣(g)・曽我大穂(fl,鍵盤ハーモニカ)・井上陽介(b)――は,カンタベリー風のオリジナル曲と1920年代のスタンダードナンバー(タイトル失念),そしてビクトル・ハラ「平和に生きる権利」の3曲を演奏.控えめなドラミングに好感が持てたし――手数の多いドラムは嫌いだ――歌心を感じさせる演奏で良かったけれど,全曲インストだったのはちょっと物足りない.
 トーマス・ラングの演奏は,殆どローランドVドラムのデモンストレーション.後半もう一人――名前失念.スケジュール表にも出て来ない――が加わって,そちらはオクタパッドを演奏.MCもスポンサー=ローランドをヨイショする内容で鼻白む.うーん,どうでもええわ.
 外山明+倉地久美夫の演奏は,このイヴェントにおいては明らかに異質で,途中で退出する人も多く,最後まで立ち会った観客は当初の半数ぐらいだったが――それでも100人ぐらいはいたか?――アウェイでこのくらいの観客に興味を抱かせることができれば,充分という気もする.
 この日の主役は外山ということなので,通常はMC役の倉地が喋りをセーブしていた点を除けば,いつもの息の合った倉地-外山デュオだった.

△John Cage 100th Anniversary Countdown Event 2010(11/6,青山学院アスタジオ)
 開場と同時に始まる「33 1/3 (1969)」は観客も参加できる「開かれた作品」なので,俺も,そこいらに撒き散らかされたLPレコードから好きな盤を選んでプレイヤーを操作しながら再生した――そういう作品なのだ――が,本来は参加者全員の音がミックスされて再生されるべきなのに,俺がいた会場外のレコードプレイヤー群の音と,会場内のそれとが,別系統のPAで再生されていた(らしい)のは残念.
 他の演目は有馬純寿・美川俊治・村井啓哲による「Cartridge Music (1960)」,ニシジマ・アツシによる「Variations II (1961)」,佐藤実・三浦礼美による「TWO3 (1991)」,村井啓哲による「4'33" (1952)」.
 乱暴に纏めれば,退屈さと緊張感が同居するライヴ演奏だった.最後のぬるいトークセッションには得るものなし.
 「4'33"」の「新たな可能性は個人による自分自身のための独奏である」とされ,「今回はその模様を映像で実況配信」するという試みがなされた.確かに,この作品が初演当時持っていた音楽批評の実践としての非-演奏行為の意義も衝撃性も――デュシャンのレディ・メイドの意義や衝撃性がそうであるのと同様に――今日では既に失われている以上,別の可能性を求めて試行錯誤するしかないのだろうが,そうまでして再演する必要があるのか,疑問である.伝説として語り継いでおけばいいんじゃないの?

× 最近観た色んな演奏を往年のバンドのそれと比較して評するならば,例えば「ザ・ワークから思想性を抜き去ってリズムとコードの変奇さだけで演ってるみたい」だとか,「ユーモアのセンスを欠いたサボテンみたい」だとか言いたくなってしまう.他にも,巧いだけで面白くも何ともないソロ演奏とか,韜晦的な言葉で信者を煙に巻いてるカリスマ音楽家など,正直うんざりする方々ばかりである.
 懐古趣味に走るつもりはないが,どうしてたって昔の音楽を聞く方が面白い.
 ...といった具合で,今どきの音楽について何か言おうとしても殆ど愚痴か悪口ばかりになってしまうので,これからは何も書かないことにする.

[NO REALITY, NO MOVIES]
△監督・脚本 吉田喜重『鏡の女たち』(2003 日)
 「東京の閑静な街に暮らす老婦人<岡田茉莉子>とその孫娘<一色紗英>の前に、失踪して行方がわからなかった娘、そして孫娘にとっては母と思われる女性<田中好子>が、24年ぶりに現われる。だが娘と思われる女性は記憶を失っており、それをよみがえらせるために母は娘と孫娘とともに、広島に向かった。原爆はあの閃光を見た死者のみが語ることができる。生き残ったわれわれにそれを語る権利があるのだろうか。原爆を表現することの不可能性を鋭く問いかける、吉田監督らしい作品。カンヌ国際映画祭特別招待作品。」(東京国立近代美術館フィルムセンター.<>内は俺の補足)
 ということで,テーマは深刻だが,感触はテレビの2時間サスペンスドラマに近い.
 だが,今どき「記憶喪失」を出してくる安直さ,ときに芸術的すぎて臭い台詞や映像の違和感,途中まで回想シーンが全くないのに後で二度出てくる不徹底さなど,疑問を感じる点が多い.
 いっそ俗っぽい作品に徹底すれば良かったのに,と思う.

[NO IMAGINATION, NO STORIES]
○千街晶之 選『皆川博子作品精華 迷宮 ミステリー編』(白泉社 2001)
 アンソロジー三部作の第一弾(第二弾は既読の『幻想編』).
 『幻想編』に較べると遥かに現実味があって普通のミステリ小説に近い作品群ではあるが,ありきたりの作品は皆無,
 漫画化するなら上村一夫しかない...と,あり得ぬ「絵」を妄想せずにはいられない惨酷美の「蜜の犬」.一見社会派ミステリと見紛うばかりの「疫病船」.純文学と見紛うばかりの――掲載誌は「小説宝石」や「小説現代」なのに――「私のいとしい鷹」や「反聖域」... どれをとっても謎解きを無邪気に愉しむ類のミステリとはほど遠い,ジャンルを跨ぎ越した複雑な味わいを醸し出している.最も普通のミステリに近い「孤独より生まれ」のような作品でさえ,嫉妬を生々しく描いた濃密な恋愛小説の貌を併せ持つ.「リアリズムもある方向に徹底すれば幻想に変容する」(千街晶之)ことを知悉した仕業.あな恐ろしやミナガワヒロコ...

○日下三蔵 選『皆川博子作品精華 伝奇 時代小説編』(白泉社 2001)
 アンソロジー三部作の完結編.
 岡田嘉夫の挿絵とのコラボ連作『絵草子妖綺譚 朱鱗(うろこ)の家』+オリジナルの俗謡や清元まで含む短編傑作選+事実上のデビュー作である少年向け時代小説『海と十字架』という贅沢な三部構成.
 『朱鱗の家』の12編中5編は「絵が先」とのことだが,どれがそれなのか,絵も物語も完成度が高いため当てるのは難しい.『逆想コンチェルト』とはレベルが違う...
 単独の短編の中で「渡し舟」は都筑道夫に似ていると思ったが,想像を逞しくするなら,これは両者とも岡本綺堂の影響を受けているからだろう.綺堂は宮部みゆきもお手本にしているが,時代小説/怪談小説作家として極めて重要な存在である.
 それにしても,「児童文学」が「自動文学」になっている誤植は悲しすぎる...

○美内すずえ『ガラスの仮面 46』(白泉社 花とゆめCOMICS 2010)
 二か月続けてのリリースというのは初めて.反動であと二年くらいは出ないのでは,と心配になる.
 ここのところ,話の展開が極端な感じのガラかめだが,この巻では,マヤへの嫉妬で鬼女と化した鷹宮紫織が今までとは別人みたいで怖すぎ...

○飛浩隆『ラギッド・ガール 廃園の天使U』(ハヤカワ文庫JA 2010)
 『グラン・ヴァカンス』に続く中編集.
 内容的には前日譚だが,「大途絶」の原因が明かされるため,こちらを先に読んでは興醒め.後に読むべきだろう.かなり考え抜かれたSF設定であることが分かり,感心する.シリーズ完結まで少なくともあと3,4巻を要すると思われるが,『V』も未だに出ていない現状では,いったいいつになることやら...

○カミラ・レックバリ『氷姫』(集英社文庫 2009.原書 2003)
 スウェーデンの女性ミステリ作家のデビュー作.
 普通のミステリならこの半分の分量で済みそうな物語がこれだけ長大になっているのは,登場人物の書き込みが端役に至るまで懇切丁寧だからだ.
 主人公が語る「本当に関心があるのは人間たちとその関係、そして心理的モチベーションだ。大抵の推理小説が、血にまみれた殺人と背筋をぞくぞくさせる興奮を優先するために失っているもの。」という言葉は,そのまま作者のモットーと捉えていいだろう.
 その志は良いとして,読者としては謎解きの興味も両立させてもらいたい訳だが,本作はやや驚きに欠ける向きもある.
 でも,続きを読まずにはいられなくなるシリーズ作品なので,2作目『説教師』を読み出したところ.
 本国では既に7作が刊行済みというが,この翻訳ペースでは,この先も6年遅れくらいでしか読めないだろうな...

○沼田まほかる『猫鳴り』(双葉文庫 2010.親本 2007)
 長編3作目.相変わらず読者に媚びない過酷な小説で,読むのが辛い.辛いが止められない.猫を飼っている人には取り分け読むのがキツイと思われるが,必読.

△川村俊一『虫に追われて 昆虫標本商の打ち明け話』(河出書房新社 2009)
○宮部みゆき『おそろし 三島屋変調百物語事始』(角川書店 2008)
○同『あんじゅう 三島屋変調百物語事続』(中央公論社 2010)
 よそにかんそうぶんをかいたのでしょうりゃく.

2010.11.24 GESO

タイトル2010/10/23■185 セデスだのバファリンよりもロキソニン
記事No266   [関連記事]
投稿日: 2013/10/05(Sat) 21:24:52
投稿者管理人
[久々の激情/劇場映画]
○三池崇史『十三人の刺客』(2010 日本)
 村を要塞化して敵を迎え撃つという時代劇の原型は,『七人の侍』だろうか?
 先に観ておきたかった工藤栄一監督によるオリジナル版(1963)は,ツタヤのDVDがずっと貸出中で観られず.
 工藤版では13人対53騎で戦ったということだが,三池版では13人対二百何十騎とかで,相当無茶なことになっている.でも結局,奇計も駆使して「為すべきこと」(=明石藩主暗殺)は為されてしまうのである.
 天願大介脚本の所為なのか,三池作品にしてはかなり抑えた演出になっているが,エンディングが今ひとつなのはいつもどおり.だがファン以外の鑑賞にも耐えるから,三池監督の代表作になるかも知れない.
 兎も角,シンプルな筋書きに徹して最後の乱戦シーン――20〜30分?――に注力し,勢いで見せた演出は正解.平田弘史の漫画が実写化されたかような爽快感がある――血塗れだけどさ.
 稲垣吾郎のニヒルで嗜虐的な藩主役は結構ハマってて良かったが,残虐非道の「限りを尽くした」と言うには物足りず,鬼畜なシーンをあと一つ二つ入れた方がバランスがとれて良かったのでは? でもアイドル――薹が経ってるけど一応――としての制約下では,頑張っていたと思う.
 他方,伊勢谷友介がお下劣ギャグのシーンを含めておいしい所を攫っていたり,松方弘樹の殺陣が別格だったり,見所豊富で,久々に見応えある邦画であった.

[飽きずに読書/読書の秋]
○杉浦日向子『呑々草子』(講談社文庫 2000.親本1994)
 間違って昭和に生まれた江戸の人=杉浦日向子と相方ポ嬢の,足の向くまま気の向くままの道中記.
 はとバス エンジョイナイトコースに参加したり,飛騨の裸祭を観に行ったり,香川まで讃岐うどんを食べに行ったり,東京の地酒の蔵元を見学したり,鹿児島までバスで行ってとんぼ返りしたり,末期のジュリアナ東京で踊ったり.ベニテングタケを食べたり... それほど特殊な所には出向いていないが,何処でも鯨飲馬食,日程的にもかなり無茶している.今から思えば,命懸けの暇潰しだったのだろう.
 杉浦の一見巫山戯た雑文から滲み出る明るい虚無に触れると,掛け替えのない戯作者を失ってしまった淋しさを覚えずにはいられない.

△松井今朝子『今朝子の晩ごはん 忙中閑あり篇』(ポプラ文庫 2009)
○同『三世相』(角川春樹事務所 2007)
○同『そろそろ旅に』(講談社 2008)
 暫く読んでなかった松井作品を纏め読み.ブログ本『晩ごはん』シリーズは――時折鋭い劇評などがあっておぉ!と思ったりするけど――まぁどうでもいいと言えばいいのだが,小説にはハズレなし.
 『三世相』は並木拍子郎種取帳シリーズ三作目で,地味な人情噺ながら一応ミステリ.良くも悪くも安心して読める.
 『そろそろ旅に』は杉浦日向子が一番好きだった大江戸バブル期=天明時代が主な舞台となる,十返舎一九の半生を描いた小説.武士に生まれながら町人になった一九は,近代的自我を持ったデラシネであるのに加えて,自分の身代わりになって死んだ幼友達が中に入ってる二重人格者として描かれる.当時にあっては相当きびわるい存在だと思われるが,現代人には感情移入できるのではないかしら.後半やや駆け足になるのが残念だけど,読み応えあり.

○南條竹則『りえちゃんとマーおじさん』(ソニー・マガジンズ ヴィレッジブックスedge 2006)
 『酒仙』の作者だから不味い小説を書く訳がなく,案の定 読めば直ちに中華料理が食べたくなる美味しい小説だった.

○美内すずえ『ガラスの仮面 45』(白泉社 花とゆめCOMICS 2010)
 物語としては端々まで陳腐と言っていいし,作中の演技論に首肯できる訳でもないのに,どうしてこんなに面白いのか? 物語のあらゆるツボを押さえているからだろうか.

○武富健治『鈴木先生 10』(双葉社 2010)
 奇しくも文化祭向け演劇バトル編(前編).ここで熱く語られる演技論を全面的には支持できないにせよ,作者に演出の実体験があることは疑い得ない.どこでやってたんだろう?
 この濃密な漫画も,どうやら次巻で完結するらしい.

○清野とおる『東京都北区赤羽 5』(Bbmfマガジン 2010)
 これも相変わらず面白い.「赤羽」の力か作者の力か?――多分両方.

○ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ U』(エンターブレイン 2010)
 Tを読んで,テーマが「お風呂」限定じゃネタが尽きるんじゃないかと心配したけれど,杞憂だった.
 個々のエピソードに加え,全体を通しての太いストーリーも見え始め,ますますもって面白い.

○皆川博子『たまご猫』(ハヤカワ文庫JA 1998.親本 中央公論社 1991)
 皆川はオールラウンドの小説家だが,本来は冥界からの使者の如き怪奇幻想惨酷頽廃美の人.
 殆どの収録作品が中間小説誌(←死語?)から発注されたものだったためか,マニアックになりすぎぬように,かつ,格調を落とさぬように,制御された職人技で書かれており,見事な出来映え.

○井上雅彦監修『ひとにぎりの異形』(光文社文庫 2007)
 傍系の企画本を含めると既に50冊を超える「異形」シリーズは,未だ数冊しか読んでいないけれど,偉業と言っていいと思う.
 本作は81人の作家によるショートショート――一齣漫画を含む――を81編収録したアンソロジー.「おーい。でてこーい」のように歴史に残りそうな名作こそないものの,水準は高く,楽しめる.
 皆川博子は異形シリーズにもしばしば参加しているが,常にも増して奇想を凝らした作品を寄せることが多いようだ.本アンソロジー収録の「穴」というタイポグラフィックな作品も,78歳(当時)とは思えぬ若々しさを感じさせる.

○東雅夫 選『皆川博子 作品精華 幻妖 幻想小説編』(白泉社 2001)
 『死の泉』以来久々の皆川マイブーム/高校時代以来久々の幻想小説マイブームが来ている感じ... 多分現実逃避なんだけどね.
 それは兎も角,本書は選りすぐりの短篇を集めた 読むドラッグ.冒頭作品「風」からいきなりぶっ飛んでいる.作品の配列も絶妙(←これは選者の功績).それだけに僅かな誤植と表記不統一の瑕疵が残念.だけど,なんで白泉社?

○日本推理作家協会編『最新ベスト・ミステリー 不思議の足跡』(光文社カッパ・ノベルス 2007)
 伊坂幸太郎・石持浅海・恩田陸・鯨統一郎・桜庭一樹・柴田よしき・朱川湊人・高橋克彦・畠中恵・平山夢明・松尾由美・道尾秀介・宮部みゆき・山田正紀・米澤穂信というラインナップは,豪華と言っていいんでしょう.
 探偵役が人間じゃない作品が多く,それ以外の作品も概して「奇妙な味」が売りで,オーソドックスなミステリが一編も入っていない点が特色だが,このアンソロジーもまた水準が高くて,楽しめる.

△神林長平ほか『逆想コンチェルト 奏の1』(徳間書店 2010)
 「イラストレーター森山由海氏のオリジナル・イラスト二点を渡された三人の小説家が、そのイラストが扉絵・挿絵になるような短編小説を執筆、そして森山氏は、あらためて三点目のイラストをそれぞれの末尾に描き下ろす」という企画で,イラスト4組×3人=計12人の作家――SF系多し――が参加したアンソロジー.イラストの絵柄が嫌いなので閉口したが,アイディア自体は面白い.
 与えられたイラストの解読そのものを主題にした浅暮三文・飯野文彦の作品はこの企画に最も沿っていると言えるが,この手は一度限りしか使えないし,もとよりイラスト抜きでも読ませる小説になっていなければいけない筈である.
 中では,梶尾真治・図子慧の作品が,共にオーソドックスながら気に入った.

△平井玄『愛と憎しみの新宿――半径一キロの日本近代史』(ちくま新書 2010)
 東京都新宿区という「周縁」を中心に据えた近代史を,筆者の個人史と重ね合わせて描く.確かに分類困難な作品だが,私小説の変種だと思う.
 自ら関わった多くの運動家・思想家・実践家・芸術家が登場するが,筆者の立ち位置は傍観者以上共犯者未満,時に伴走者.一貫して観察者である.新宿の暗部を世界の暗部と通底させるシュールな妄想力を共有できる読者にとっては,良書なのだろう.

○チャールズ・ブコウスキー『死をポケットに入れて』(河出書房新社 1999.原著 1998)
 作者の没後に発表された日記の体裁だが,実際には1991〜1993年(71〜72歳)のうちの33日分しか書かれていないから,日付の入った随筆と言った方がいいだろう.雑誌社のお蔵入り企画の類だったのかも知れない.
 1992年8月28日以降の日記がそれ以前に較べて「小説的」なのが気になった.
 「理想を言えば、徐々に衰えていくのではなく、死ぬ瞬間まで書き続けたい。」という言葉が端的にもたらすのは,唯我独尊の「全身小説家」というイメージである.
 「書くことをやめようとする作家たちの気持ちがわたしにはまったく理解できない」ということだから,彼から見れば,断筆を宣言する作家や,「書くことがない」ということを書く作家などは,作家ではないということになろう...
 同時代の作家たちに関しても辛辣で,「ちょうど水漏れのする蛇口を修理するように、誰もが覚えた仕事をこなしているだけだ。」と述べている.
 一方,タイプライターよりもコンピュータ――と言ってもMacintosh IIsi――で書く方がいいと繰り返し述べているのは,意外だった.
 例えば,「二倍の速さで書けて、作品の質がまったく損なわれない」「クラシック音楽、葉巻、コンピューターが、文章を踊らせ、わめかせ、大声で笑わせてくれる。悪夢の人生もまた手助けしてくれる。」等と語り,タイプライターからコンピュータに乗り換えたら「魂」を奪われたかのように怒る編集者がいることに呆れたりしている.
 邦題は原題と全く異なるが,共に本書の中から引用したフレーズである.個人的には原題――「船長は昼食に出かけ、船乗りたちが船を乗っ取ってしまった」――よりも,邦題――正確に引用すれば「わたしは死を左のポケットに入れて持ち歩いている」――の方が良いと思う(←これは訳者=中川五郎のセンス).

○沼田まほかる『彼女がその名を知らない鳥たち』(幻冬舎文庫 2009.親本 2006)
 『九月が永遠に続けば』(2004)で(58歳で)新人デビューした作者の第2作.
 ありがちな恋愛/不倫小説と思って読み始めると痛い目に遭う,これもまた過酷な作品.嫌ぁな気持ちになりつつもページを繰る手が止まらず,読了したときには放心...

○大海赫『メキメキえんぴつ』(太平出版社 1976)
 最近復刊されたと聞く幻の児童書.
 謎の女性から30円で買った5本の「メキメキえんぴつ」の脅迫と攻撃に晒されて,主人公の小学生は否応無しに勉強に励み,成績が上がる...という表題作を始め,ちぎり捨てたカンナの花の精?(オッサンだけど)の復讐で,大人の体にされて元に戻らなくなってしまう子供の話など,何ら教育的道徳的効果はなさそうな物語5編を収録.
 教訓があるとしたら,恐らく「この世には理不尽なこともある」ということだろう.
 小学校低学年時分に読んだら,一度見れば忘れがたい著者自身による不気味な挿絵と相俟って,きっといつまでもベットリ黒々と記憶に残るに違いない.
 これが気に入ったよい子の皆さんは,大きくなって徳南晴一郎を読めば,きっと気に入ることでしょう.

○飛浩隆『グラン・ヴァカンス 廃園の天使T』(ハヤカワ文庫JA 2006.親本 2002)
 世界――と言っても,人類滅亡後(?)に残されたAIたちが暮らす仮想空間の一つ――が壊滅する一日を甘美に描いたSF.エログロもたっぷりなのに叙情的.非常に視覚的な作品で,今敏にアニメにして貰いたい――もはや叶わぬことだが――と思ったのは,『パプリカ』の映像を連想したからかも知れない.

[甘損/あまぞん]
 恩恵を被りつつも思うこと,
 アマゾンマーケットプレイスが,利益分を含めて「送料」と表示したり,厚さ2cmを超える(規格外の)商品をメール便で送れたりするのは,やはり不公正だ.

2010.10.23 GESO

タイトル2010/09/10■184 さらば夏の腹立ち
記事No265   [関連記事]
投稿日: 2013/10/05(Sat) 21:24:11
投稿者管理人
[積ん読増殖中]
○乾くるみ『リピート』(文春文庫 2007.親本 2004)
 ある年の10月30日に某所に出現する「時空の裂け目」に飛び込むと,同じ年の1月13日に遡行する――過去の自分の身体の中に現在の自分の意識だけが戻るという現象が生じる.
 つまり,期間限定だが何度でも人生をリピートできるという訳だ.全く同じ出来事が繰り返されるのではなく,自分の行動によって歴史――というには短すぎるスパンだが――を改変することが可能な多元宇宙論的設定だから,タイム・パラドクスは生じない.
 この手のSFは山ほどあるらしいけれど,本作がケン・グリムウッド『リプレイ』(新潮文庫 1990.原著 1987)に直接影響を受けていることは,作品内でも明示されている.ネタ本を明かすところを見ると余程自信があるのだろうが,俺はそっちは未読なので比較できない――今度読んでみたい.
 本作のミソは,タイムループものの設定に,「リピート」のツアーに参加した10人の男女が一人ずつ死んで――殺されて?――いくという『そして誰もいなくなった』の趣向を加えた所だ.誰が,何のために「リピーター」たちを殺すのか?
 因みに,ありがちな感動作にすることを拒み,性悪説的立場を採ってダークに仕上げている所も,この作者の持ち味だろう.

○紀田順一郎『第三閲覧室』(創元推理文庫 2003.親本 199)
 密室状態の大学図書館閲覧室で発見された,有毒ガスを吸い込んだ死体.背後に学内の権力闘争や稀覯本の真贋疑惑が絡む.
 この作者ならではの「本」の蘊蓄満載のミステリ.細部描写のリアリティの質が,奥泉光『バナールな現象』(集英社 1994他)に似ていると感じた.

?『東京朝呑み散歩 都内で朝から美味しく呑める主要100店』(三才ブックス 2010)
 居酒屋研究会会長に教えられて買ったムック.タイトルどおりの内容.便利だが危険な本なので,未だ実践していない.

△三津田信三『首無の如き祟るもの』(原書房 2007)
 「○○の如き○○もの」というタイトルのシリーズ三作目.
 二作目は未読ながら,一見一作目『厭魅の如き憑くもの』の二番煎じの横溝調ミステリ――旧家を舞台にした連続首斬り殺人もの――であるが,読了してみればバカ-メタ-ミスとでも言うべき結構で,本格ミステリの枠内にあった一作目とは全く異なる趣向だったので,一寸吃驚.
 しかし,立て続けにアクロバットを見せつけられると見慣れて衝撃を感じなくなるのにも似た「やりすぎ感」と,軽すぎる文体に不満が残る.
 それでも他の作品はどういう趣向を凝らしているのかが気になるので,シリーズ――中短編集を含めてあと5冊も出ている――を追って読まねばならなくなった... 面倒臭い.

[恨ミシュラン(懐)]
 久し振りに入った非常識な/不愉快な飲み屋.
 酒が来てから一時間以上待ってもツマミが冷や奴一つ出てこないのはどういう訳だ? 三人で来てるのに箸は一膳しか使わせないってのはどういう了見だ? メニューを切らしてるならなんで最初に頼んだ時点で「ない」と言わない? それとも土曜日はハツも煮込みも肉豆腐もないというのがこの店の「常識」なのか? 何で客が頭を下げてカウンターまで酒や肴を取りに行かなきゃいけない? 待たされた甲斐があるほど美味い料理か? 自慢の串焼きの味は並みっつうか しょっぱすぎるわ! もっと美味い店はなんぼでもあるね.
 頭にきたんで,帰り掛けに「一時間以上待たせて,客を客とも思わないようなこんな店,潰れちまえよ! みんなもよく黙って飲んでるな!」と悪態をついたのだが,店主は「そんなに待たせたっけ」と空惚け,カウンターにびっしりの客――常連のみと見える――は無反応.店主の顔色を窺って押し黙って飲んでて何が楽しいんだ,こいつらは?
 ...そーか,ここは信者の店なんだ.分かった.不信心者はもう二度と来るまい.
 5年前に一度来たときは,こんなにはひどくなかったんだが,常連にスポイルされた増上慢なのか?
 赤羽の「米山」という,行列のできる「もつ焼きの名店」である.店の独自ルールに従わない限り不快な思いをするだけだから,真っ当な酒飲みは行ってはいけない.

[らいう゛]
×「固有結界歌唱祭」(9/4 梅ヶ丘 Crazy Cats)
 弾き語り四人衆.
 森田智子(初期山崎ハコをユタ版にした感じだが演技過剰で嘘臭い)/細田茂美(25年振りに歌ったというがギターインストのみの方が多分増し)/賃貸人格(音痴なテルミン+不思議ちゃんヴォーカルという外連)/月本正(最もシリアスにしてランダムで良いが本来の出来としては今一つ).
 わざとらしい演奏が浅薄な客たちに受けている光景にげっそり...

2010.09.10 GESO

タイトル2010/08/25■183 アル・クーパー効果
記事No264   [関連記事]
投稿日: 2013/10/05(Sat) 21:23:19
投稿者管理人
 突然アル・クーパーが聞きたくなり,三十数年振りに『アイ・スタンド・アローン』『紐育市』『赤心の歌』を続けて聴く.
 偶には此んなストレートなもんも良いな,という印象をその後二週間ほど引き摺る.

△「言葉の森に棲む。」(5/20 渋谷 7th Floor)
 弾き語り三人衆.
 outoside yoshino(刺々し/わざとらし/すぎる無頼振りが不快)・豊田道倫(四十男の歌ものとして素朴すぎるが和めたのはアル・クーパー効果)・倉地久美夫(この中では別格.数曲のアレンジがまた変わった).

○「すでにそこにあるもの」(5/21 横浜 BBストリート)
 これも弾き語り三人衆+前座.
 佐々木犬(「Mother Sky」のカヴァーもあったが総じて没個性)・日比谷カタン(超絶ギター漫談・オペレッタ風.巧さが鼻につく)・島崎智子(関西に転生した矢野顕子がブギウギピアノで身も蓋もない日常を歌ってる風.素朴さに耐えられたのはアル・クーパー効果)・倉地久美夫(天然という点でカタンと似て非なる芸風).
 前日のライヴよりはバランス良い組合せ.

○「水木しげる米寿記念 ゲゲゲ展」(銀座 松屋)
 絶えることのない水木ブームだが,今回は2005年の「大水木しげる展」以来の大規模な展覧会.またもや文字どおり老若男女のファンで会場は超満員.
 サスガ松屋の客と言うべきか,キャラクター・グッズ――総じて高価――を山のように買い込むお金持ちが大勢.一体8万円〜10万円するブロンズ像を買ってる人も見た.
 今回の展示は,「河童の三平」「墓場の/ゲゲゲの鬼太郎」「悪魔くん」の三作品の原画――貸本漫画時代の原画は残っていないため複製で,あとはマガジン,サンデー,ジャンプの原画――と,一点物の妖怪画の原画――モノクロの原画と,その精密コピーに彩色したものを,上下に並置――に絞られていたけれど,カラー扉絵の綺麗さに見蕩れ,緻密な齣とスカスカの齣の落差にクラクラし...見応えは充分.
 掲載媒体を変えて何度かリライトした作品の,共通箇所の比較展示の試みなどもあって,面白かった.

○寵物先生『虚擬街頭漂流記』(文藝春秋 2010.原著 2009)
 時は2020年.実在する都市と,その12年前の姿を再現した仮想都市――2014年の大地震以来寂れ果てた繁華街を,行政の肝煎りで仮想空間上に復興しようと計画されたもの――に於いて並行して起きた殺人事件を巡るSFミステリ.台湾の皇冠文化出版有限公司主催 第1回島田荘司推理小説賞受賞作.
 台湾の作家――ミスター・ベッツと読むらしい――の作品だが,全く違和感を覚えることなく一気に読める.日本人だったら西澤保彦あたりが書きそうな物語.
 島田が提唱する「21世紀本格」なる概念には余りピンとこないが,ハイテク社会に抗しうるエンタテインメントとしてのミステリという意味に取るなら,本作は充分成功している.
 ただし,感動の質は良くも悪くもベタで,新しい革袋に古い酒を入れたという印象は否めない.

○愛川晶『うまや怪談』(原書房 2009)
 「神田紅梅亭寄席物帳」シリーズ3作目.中編3作を収録.
 もはや珍しくもない落語ミステリの中で本作が一頭地を抜いている点は,一見事件らしい事件も起きないのに,いつの間にか謎解きミステリとして成立させている,見事な伏線の張り方.
 蘊蓄をひけらかすでもなく,素人に擦り寄るでもなく,落語の面白さをいかに分かりやすく一般読者に伝えるかに腐心する姿勢にも好感が持てる.
 紅梅亭は俺の通勤経路の途中にあるという設定だが,現実のJR神田駅西口通りには勿論そんな粋なものは存在しない.
 実際の神田は,セブンイレブンもローソンも富士そばもマックでさえも潰れてしまうほど商店の生き残り競争がハードな,ベタなサラリーマン街である.

○日本橋ヨヲコ『少女ファイト 7』(講談社 2010)
 熱血青春スポーツ漫画の約束事をしっかり押さえつつマニアックな読者も萌えさせる巧緻な作品.『イブニング』に中弛みなく連載中.

○ブルボン小林『マンガホニャララ』(文藝春秋 2010)
 漫画評論ならぬマンガ語り.軽いけど鋭い,鋭いけど楽しい,楽しいけど深い.
 「狩撫麻礼の描きたいのは「逸脱」それ自体なのだ」だとか,「様式で衝撃を与えることが悪いわけではないが、浦沢直樹のそれは「うますぎる」」だとか,思わず膝を打つ指摘多数.
 漫画への愛が溢れ出して読者に感染り,未読の作品を読みたくなってしまうガイドブック.

△北村薫『秋の花』(創元推理文庫 1997.親本 1991)
 心洗われる「良い」作品だけど,俺には上品すぎてちょっと嫌...

△山田正紀『人間競馬 悪魔のギャンブル』(角川ホラー文庫 2010)
 センスを疑いたくなるタイトルだが,内容はそのまんまで,4体のガーゴイルたちが数人の男女――それぞれ特殊能力を持つ犯罪者――に殺し合いをさせ,誰が生き残るかを賭けるというお話.
 ダークファンタジーというよりもブラックユーモア小説で,北村薫に危うく綺麗にされかけたココロが汚し直されてホッとした.
 殺し合いのシーンが意外に淡泊なのが物足りないけれど,近年の正紀作品の中では割と面白い方.
 でも,こうした変な書き下ろしより,未完のまま放置中の諸作品の続きをとっとと出して欲しい.

○乾くるみ『クラリネット症候群』(徳間文庫 2008.徳間デュアル文庫『マリオネット症候群』2001を増補)
 人格転移ものの『マリオネット症候群』と,暗号解読もの(?)の表題作の2編を収録.
 一見無茶苦茶な設定なのに作品内の論理性は保たれているという点を含めて,西澤保彦・筒井康隆の諸作品が想起されるが,両者以上のエスカレート振りを見せる奇想に,ちょっと吃驚.
 乾くるみってこんなに面白かったっけ.

○荻原魚雷『活字と自活』(本の雑誌社 2010)
 高円寺に住んで21年目(近場での引越し多数)のライターの貧乏読書エッセイ.
 俺も高円寺には19年間住んでたから,中央線の「魔」はある程度理解できるけれど...
 貧乏も悪くない/貧乏だけは嫌だ という相反する気持ちに引き裂かれて,複雑な読後感.でも良い本である.

△セバスチャン・フィツェック『治療島』(柏書房 2007.原著 2006)
 ベルリン生まれ/在住の作家のデビュー作.
 前から気になっていたが,ブクォーフで200円で見付けたので,購入.
 11歳で失踪した愛娘を探し続けて気が変になった作家が,数年後,小島の別荘で静養を始めてから次々に異変が起きる.収拾がつきそうもない謎の連鎖,娘は生きているのか死んでいるのか?
 確かに,読み始めると止まらなくなるサイコ・ミステリだが,話の引っ張り方がかなりあざといし,読了後「ルール違反じゃないの?」という疑念も生じる.読み返せば確かに伏線はあちこちに張ってあるから違反とまでは言えないが,あまり気持ちよく騙された気はしない.
 まぁ,二作目も読んでみたいけど...

○辻真先『改訂・受験殺人事件』(創元推理文庫 2004.初版 ソノラマ文庫 1977)
 いわゆる「超犯人シリーズ」三部作の最終巻.
 今回は「犯人」の端書きに始まり,「犯人」の後書きで終わる.毎回とんでもない技を仕掛けてくるものだ.
 三作とも昔,確か美川氏からソノラマ文庫版を借りて読んだことがあるが,ブクォーフの105円棚で見掛ける都度購入してたら,揃ってしまった.
 内容はすっかり忘れてたんで,初読のように楽しめた――惚けの効用である.
 外連は余り好きじゃないんだが,これだけサービス精神旺盛だと許せます.
 あと,見掛けは軟派でも本質は硬派のミステリという,東京流れ者みたいな所も,辻ミステリの美点であろう.

△有栖川有栖『乱鴉の島』(講談社ノベルス 2008.親本 2006)
 「今さらながら驚いたのは、普通ならば存分に書き込むであろう場面が本格ミステリでは見事なまでに語られず、本来はそこから書き始めるべきであろう起点が隠蔽される、ということ。そういう書き方をするものなのだ。私はその特異さの中に魅力を見いだすが、「だからミステリは好きになれない」という小説好きの気持ちも理解できる。」と作者は書いているが,全くそのとおりだと思う.
 割と地味な「孤島もの」で,そこそこ面白いけれど,最後に明かされる動機は唐突で,それまで丹念に読んできてもちょっと推理できないんじゃないの? どうもすっきりしないなぁ...

○JOJO広重・美川俊治・JUNKO・コサカイフミオ・野間易通『非常階段 A STORY OF THE KING OF NOISE』(K&Bパブリッシャーズ 2010)
 昨年結成30年を迎えた非常階段の評伝.
 ファンへの贈り物という性格の本だが,日本のロック史研究者にとっても,特に関西の地下シーンの歴史を辿る上で貴重な資料となるだろう.
 個人的感想としては,「一期一会」「案ずるより産むが易し」「継続は力なり」といった凡庸な成句が思い浮かぶばかりで情けないが...
 バンドとしての非常階段の功績は,本来評価基準が無い「ノイズ」に初めてエンタテインメントとしての価値を付加し得たこと,あるいは,ロック・ライヴという器に楽音の代わりにノイズを盛りつけてパッケージ・ショーとして成立させ得たことであり,これはJOJO広重の商才の賜と言えるだろう.
 非常階段前期における汚物塗れのオルギアも,一見ヘルマン・ニッチェやオットー・ミュールら往年のアクショニストを思わせるけれども,似て非なるもので,それはアート〜パフォーマンスの文脈にはなく,子供の泥んこ遊びやプロレスのパフォーマンスバトルに近いもの――過激であってもぎりぎりエンターテインメントの範疇に入るものである.

○瀧波ユカリ『臨死!!江古田ちゃん 5』(講談社アフタヌーンKC 2010)
 早や5巻目.相変わらずエグ面白い.
 江古田ちゃんはツイッターでもやっぱり江古田ちゃんであった(http://twitter.com/ekoda_chang).

△入江悠『SR サイタマノラッパー』(日 2009)
 『8 Mile』への埼玉からの回答――といった映画では全くなかった.
 日本の田舎で「音楽」するワカモノたちの鬱屈した日常を描いた痛い青春映画として,ごく類型的.
 ネタの音楽がラップなのは,それが若干イマ風であるからに過ぎず,ジャズであろうとフォークであろうとGSであろうとロックであろうとパンクであろうと,背景となる時代と場所に寄り添ってさえいれば,どんなジャンルでも一向に構わないというか,交換可能と思われる.
 では,ノイズでこうした映画――例えば虚構としての『非常階段物語』だとか――を作ったら少しは違うだろうか? 結局似たような「感動映画」になってしまうだろうな...

○「Bravo-SL」(FireStone製 2010年3月発売開始)
 製品レビュー...になるかしら.
 DATウォークマンが死にかけてるんで,今のうちに録音物をHDに移しておこうと思ってから,早や数年.
 今一歩踏み切れなかったのは,何度か試したけどデジタルtoデジタルのコピーがうまくいかない――いわゆるジッターやグリッチといったノイズが発生する――からである.
 DATのサンプリング・レートが録音によりまちまちなことや,DATと,PCのオーディオ・インターフェイス(EDIROL UA-4FX)との相性が悪いことが原因と思われる.
 そこで,今までは,どうしてもDATから取り込みたい場合は,ウォークマンのRCA端子からアナログtoデジタルでHDにコピーしていた――なんか無駄に音質を劣化させてるなぁと思いつつ.
 そんな折り,「Bravo-SL」という製品を偶然ネットで見付けたのでした.
 それは「USB入力、同軸入力、光入力の3種類の異なった入力信号を、最大24bit/96kHzフォーマットで受け取り、それぞれのジッターを除去しお望みのフォーマットに変換して出力」するデジタル・プロセッサーだという.
 レビュアー諸氏の評価が高く,この種の機器としては非常に安いので,その中でも最安値だった楽天市場で思い切って購入した(送料込み19,800円).
 で,実際使ってみたところ,本機を通すと音が良くなる(気がする)!
 原理が謎なので,正に「魔法の箱」状態なんですが...
 手持ちのDATは100本くらいで,全部で200時間以上になる.作業が終わるまでにウォークマンが死なないことを祈るのみ.
 DATが終わったら,次はMDを取り込まねばならない.何枚あるか怖くて数えてないけれど,DATより多いことは確か.こちらも,光出力端子付きのMDレコーダーが途中で壊れないことを祈る.
 嗚呼,面倒臭え.
 でも自業自得.

2010.08.25 GESO